雪のひとひら (新潮文庫) 価格:¥ 483(税込) 発売日:2008-11-27 |
空から降った雪のひとひらが大地へと降り積もり、春には水となり流れ流れて海となり、やがては蒸発して空へと帰っていく。
それを擬人化した物語です。
そう言うと味も素っ気もありませんが、女性の一生をまざまざと見せられているようで、それはそれはドラマティックで美しいものを感じさせてもらいました。
雪のひとひら (新潮文庫) 価格:¥ 483(税込) 発売日:2008-11-27 |
キシャツー 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2012-07-14 |
北海道の海沿いの町。
一時間に一本、岡橋駅から一両編成の鈍行列車に乗って、途中で上ノ旗駅に停まって、高校のある馬駒駅まで二十七分。
はるかたちのキシャツーの中に現れた赤いテント。
その主は、はるかたちと同じ高校生で、東京から姉さんを探しに来たという。
姉探しを手伝う中で、はるかたちの友情も深まり、様々な形で成長していく。
キシャツーかあ、今はどうだか知りませんが、私の学生時代までの北九州では、多分西鉄の路面電車と区別するためだと思いますが、国鉄(今のJR)の電車は汽車と呼んでいました。
懐かしさと共に、はるかたちの関係を温かい気持ちで読むことが出来ました。
いい話です。
連続殺人鬼 カエル男 (宝島社文庫) 価格:¥ 630(税込) 発売日:2011-02-04 |
飯能市で起きた連続殺人の死体は、まるで子どもがカエルの死骸をもてあそんだような有様だった。
あまりにも凄惨な死体の状況に、私は想像力を20%ぐらいにまで落とさないと読めませんでした。
時折挟まれる犯人らしき人物の独白は、読者をどこに連れて行くのでしょうか?
そして明かされる真の犯人は、あまりにも意外な人物でありながら、一番納得のいくものでもありました。
善良な市民の皮をかぶった暴徒も含め、人というのは怖いものだと思いました。
身の毛もよだつ物語です。