こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『なごみクラブ(6)』遠藤淑子

2015-07-24 19:34:49 | アニメ・コミック・ゲーム
初めに出るという情報が入ったものの延期されて、2か月くらい待ったでしょうか?
遠藤さんの体調を心配しましたが、大丈夫ですよね、きっと。

で、6巻ですが、「なごみクラブ」でのゲストへのプレゼントは五百円までというのが笑えましたが、さらにお客さんの南さんの台詞がかなり的を射ていて、もっとおかしかったです。

また、おかまバーの「フジツボ」とのコラボ逆転企画が成立しなかったのは残念ですが、それぞれの顛末が描かれたのは、とても良かったです。

今回、特に良かったのは迷子のセキセイインコの話ですね。
遠藤さんは、手を変え品を変えながらも、ポツリポツリと心にしみる話を描いて下さるところがとても素敵です。

最後の書下ろしも、面白く読ませていただきました。
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『にぎやかな落葉たち』辻真先

2015-07-23 19:32:16 | 読書感想
グループホーム『若葉荘』には、スケベな元工務店社長、初期の認知症をわずらう元住職、自称子爵家の末裔、そして車いす生活を送る元刑事が暮らしている。

そんな癖のある住人ばかりのホームが久しぶりの大雪に閉ざされた日。
密室殺人が立て続けに起きた。
果たしてこの連続殺人の犯人とは?

癖はあっても、ここに犯人がいるとは思えない和やかなホームで、17歳の少女スタッフが冷静に論理的に謎を解いていくところが読みどころです。
むしろ初めは、この少女の方が危うい感じに思えました。
これ以上はヒントになってしまうので、ここまでで内緒です。
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『7分間でゾッとする7つの話』山口タオ

2015-07-22 19:34:33 | 読書感想
一番星通りにある骨董屋『ほらあ堂』のガラクタにまつわる7つの怖い話です。

古いお寺でかくれんぼしていたら、覚えのない声で返事があったり、一人っ子のアキが公園で小さな女の子に妹にしてほしいと声をかけられたり、怖いものからジンとくるものまで、バラエティに富んだ不思議な話が並んでいます。

私が特に好きなのは、「ハルという妹」「入り江の底で」「変身」「ひびわれたフルート」「タスケテ」です。
児童書ではありますが、気軽な読書を求める大人にもお勧めです。
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『[新釈]走れメロス 他四篇』森見登美彦

2015-07-21 19:31:04 | 読書感想
五人の文学小説作家の有名な短篇を、森見さんが現代に置き換えて書いたものです。

表題作になるだけあって、やはり「走れメロス」には笑わされながらも妙に納得してしまい、これはこれで名作かもしれないと思ってしまいました。

元が全然違う作品であるはずの「山月記」と「桜の森の満開の下」は、森見さんにかかると、似たような境遇の学生がほんのわずかな選択の違いだけで別々の、しかし不幸な人生を歩んでしまうというものになり、まるで一人の男のパラレルワールドをのぞいているような気分になりました。

「藪の中」は、一つの出来事を多人数の別々の視点から見た面白さがあり、彼らがそれぞれにとっての真実を語っているのなら人の記憶も当てにならないと思いました。まあ、大抵は嘘を混ぜていると考えてしまいますが。

「百物語」は、それまでのオールスター登場のにぎやかさの中に、ふと紛れ込むかすかな恐怖が味わえます。
もちろん、彼は本当に存在するものかもしれません。

面白かったです。
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『量子怪盗』ハンヌ・ライアニエミ

2015-07-20 19:35:52 | 読書感想
小惑星群にある<監獄>に、量子怪盗ジャン・ル・フランブールの精神が閉じ込められていた。
永遠に続くと思われた彼の囚人生活に、ミエリという腕の立つ美少女がピリオドを打った。
彼女はジャンを脱獄させる見返りとして、火星であるものを盗むように告げた。

一方火星では、千年紀長者ウンルー主催のパーティーが準備されていたが、そこに怪盗があるものを盗むという予告状を送りつけていた。
それを防止するために、ウンルーは最近活躍している学生探偵のイジドールを呼び出したのだが・・・。

肝心のジャンが、長い幽閉生活のためか火星時代の記憶が定かではなく、さらに過去のジャン自身が綿密に記憶を封印していたために、今回の事件がややこしくされていきます。
ジャンは何を盗むのか、そしてジャンの隠された過去とは?
結末に至っても、まだまだややこしい事態が生まれそうな気配を漂わせていますが、少なくとも、火星については事件に一応の決着をみたと思いたいです。
あと二作、ジャンの活躍が読めるのは、楽しみでもあり大変そうでもあり、といったところでしょう。
面白かったです。
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