「ここに印鑑をお願いしてもよろしいでしょうか」
これは先日、ある信用金庫で、新しい口座を開こうとしたときに行員に言われた言葉。
この「お願いして(も)よろしいでしょうか」、または「~していただいて(も)よろしいでしょうか」という言い方は、最近あちこちでほんとうによく聞く。とくに若い人の口から聞くことが多い。
いわばお伺いを立てる表現で、たしかにへりくだった感じがするし、ていねいといえばていねいである。
しかし、時にていねいすぎると感じることがある。
「(お願いして)よろしいでしょうか」はもともと同意または許可を求める表現で、依頼や要請をするときの言葉ではない。
銀行口座開設時に印鑑が必要なのは手続上必須で、客に許可・同意を求める筋合いのものではない。客は口座を開設する意思をもってその場にのぞんでいるのであるから、「ここに印鑑をお願いします」で十分と思う。
なんでもかんでも「よろしいでしょうか?」ですまされてしまうのは、逆に話し手の安易さを感じてしまう。
何か月か前、有楽町のあるうどん屋に入り、おカネを支払うとき、レジの若い男性店員に、
「980円いただいてもよろしいでしょうか」
と言われた。
「いやだ」とは客に決して言われないことが‘想定内’であるからこその物言いである。
これなら今あちこちで不評な「980円になります」のほうがまだわかる。
2005.05.21
これは先日、ある信用金庫で、新しい口座を開こうとしたときに行員に言われた言葉。
この「お願いして(も)よろしいでしょうか」、または「~していただいて(も)よろしいでしょうか」という言い方は、最近あちこちでほんとうによく聞く。とくに若い人の口から聞くことが多い。
いわばお伺いを立てる表現で、たしかにへりくだった感じがするし、ていねいといえばていねいである。
しかし、時にていねいすぎると感じることがある。
「(お願いして)よろしいでしょうか」はもともと同意または許可を求める表現で、依頼や要請をするときの言葉ではない。
銀行口座開設時に印鑑が必要なのは手続上必須で、客に許可・同意を求める筋合いのものではない。客は口座を開設する意思をもってその場にのぞんでいるのであるから、「ここに印鑑をお願いします」で十分と思う。
なんでもかんでも「よろしいでしょうか?」ですまされてしまうのは、逆に話し手の安易さを感じてしまう。
何か月か前、有楽町のあるうどん屋に入り、おカネを支払うとき、レジの若い男性店員に、
「980円いただいてもよろしいでしょうか」
と言われた。
「いやだ」とは客に決して言われないことが‘想定内’であるからこその物言いである。
これなら今あちこちで不評な「980円になります」のほうがまだわかる。
2005.05.21