わが家の庭のすみに、スズランの花が咲きました。
スズランはいつもこの陽当たりの悪い場所に、しかもほかの木や花の陰に隠れて、ひっそりと咲きます。
控え目な花です。
人を押し退けてまで目立とうとするタイプではありません。
「誰もこっちを向いてくれない」
と嘆いているようすもありません。
98歳で詩集を出した柴田トヨさんの詩を思い出しました。
以下、その中の一つを引用させていただきます。
朝はくる
一人で生きていく
と決めた時から
強い女性になったの
でも 大勢の人が
手をさしのべてくれた
素直に甘えることも
勇気だと わかったわ
(私は不幸せ・・・・)
溜息をついている貴方
朝はかならず
やってくる
朝陽も
射してくる筈(はず)よ
(『くじけないで』柴田トヨ・詩/飛島新社・刊)