神田須田町「神田まつや」の「小田巻むし」です。
小田巻むしとは「うどんの入った茶碗蒸し」のこと。前から一度これを食べてみたかったのですが、先日それが叶いました。
なぜ食べてみたかったかというと、わが家の庭にオダマキ(キンポウゲ科の多年草)の花が咲き、ここの小田巻むしを思い出したからです。*
『名店・老舗の酒肴 蕎麦屋で酒を飲む』(サライ編集部編/小学館)という本には、小田巻むしについてこのような説明があります。
「小田巻の名前は苧(からむし)の繊維から紡いだ麻糸を巻いて玉状にした “苧環(おだまき)” に由来する。茶碗の底にしのばせたうどんの玉の風情を、その苧環になぞらえた」
一方、花のオダマキも、デジタル大辞泉を見ると、同じ「苧環」という漢字があてられ、「麻糸を空洞の玉のように巻いたもの」という意味が最初にあげられていました。
つまり語源は同じなのですね。
しかし、いざこの小田巻むしを目の前にしてみると、先に茶碗の中を掘りくずし、「茶碗の底にしのばせたうどんの玉の風情」を確認することなど、もったいなくてとてもできません。
タケノコ、シイタケ、銀杏、エビ、湯葉・・・具の一つ一つをゆっくり味わい、出汁の効いたやわらかい玉子をすすりながら、チビリチビリと猪口を口に運び、‘蕎麦屋酒’ を楽しんできた次第です。
(茶碗の底の少量のうどんはバラけてしまっていました)
蕎麦屋で飲む酒は、どうしてこんなに旨いのでしょう。
*https://blog.goo.ne.jp/kyusan2/e/7ccc2dd66262ee33f14fa1bc6364d58d
↑わが家の庭に咲いたオダマキの花。正直なところ何故これが苧環(麻糸を巻いた玉)に似ているのかも分かりません。