写真の酒は「参乃 越州(えっしゅう) 純米吟醸」。新潟県は長岡、朝日酒造の酒である。
先日、長岡在住の中学生時代の同級生T君が、わざわざ持ってきてくれたものだ。
T君はこれの箱入り4合瓶を、なんと4本、大きなリュックに入れ、東京まで遠路かついできた。
その日は、わたしを含めた首都圏在住の同級生4人の会があり、T君は飛び入り参加したのだ。越州は4人へのお土産である。
「友情が重荷を軽減した」かどうかは分からないが、T君はわれわれのために ‘重さを物ともせず’ かついできたのだ。
その友情に感謝し、新潟の酒文化に思いを馳せつつ、わたしは次の日、家で越州を味わった。それが上の写真。
冷や(燗をしない)で飲んだ越州は、吟醸酒然としたクセがなく、飲み口のやわらかい素直な酒であった。グイと飲みこんだあとには、ほんのり甘みが広がった。
鯛や南蛮海老(新潟の甘えび)などの、繊細な日本海の魚に、いかにも合いそうな美酒である。
後日、ぬる燗で飲んでみると、‘冷や’ よりやや味が濃くなり、一段と旨さが増したことを付け加えておこう。