prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ヒトラーへの285枚の葉書」

2019年04月06日 | 映画
やたらと最近多い邦題にヒトラーとつく映画の一本だが、原作のタイトルは「ベルリンに一人」。
ヒトラー自身は出てこない。

ブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソンの息子を戦争で失ったドイツ人夫婦が自国民にヒトラーの危険性を訴えるカードをひそかに作成して街のあちこちに置いてまわる。見つかったら当然死刑だが、息子を失った夫妻を押しとどめるものはない。
かといって完全に自爆的な行動に出ているわけではなく、あくまで夫は自分一人で罪をかぶるつもりだったりするのがグリーソンの地味な風貌の下の愛情深さと勁さを感じさせる。

捜査にあたる刑事役が「グッバイ、レーニン!」で母親思いのあまりかなり傍から見ると喜劇的な青年を好演したダニエル・ブリュールで、当然あの時よりは歳をくったがナイーヴな持ち味をのぞかせ、回収した多くのカードを読んでいくうちに疑似的な息子のような位置づけになってくるのが面白い。

「ヒトラーへの285枚の葉書」 - 映画.com

4月5日(金)のつぶやき

2019年04月06日 | Weblog