マーゴット・キダーのエリザベス女王が特に後半、白塗りになったり、赤褐色のカツラをつけたりして、素顔を隠すようになって、一種の仮面劇のようにも、女王であると共にクラウン=道化のように見えたりする。
狂信的な説教とそれを聞く信徒たちの姿がはさまれるのもコロス的な効果を上げている。
女王といいながら男社会というよりは権力とそれ自体が持つ自律的力学の中で翻弄されるのがなんとも重量感があって、そのほとんど大詰めまで二人が顔を合わさず、会っていなくても互いに境遇がわかるという孤独感の描出が秀逸。
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