prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

4月22日(月)のつぶやき

2019年04月23日 | Weblog

「ハンターキラー 潜航せよ」

2019年04月22日 | 映画
毎度のことながらロシア人が英語を話すのはばりばりの違和感。
とはいえ、タイトルを出すともろにネタバレになるので控えるが某潜水艦映画の古典のパターンを堂々と踏襲していて、新冷戦的な陰にこもった裏切りと陰謀の話になるかと思ったらジェラルド・バトラーの叩き上げの艦長をはじめ漢たちの男っぷり比べが前面に出てくるのが気持ちいい。バトラーがプロデュースに参加しているのもなるほどと思わせる。
その割に潜水艦内にも政府内にも女性の姿が見える。

どう展開するのかなかなか見当のつかない前半、ぶっとんだ中盤、それから終盤の笑ってしまうような一回転した着地。上下巻にわたる原作はどうなっているのか知らないが、よく整理されている。ストーリーを知らないで見てよかった。

潜水艦内部がそれほど閉塞感を感じないような設計と撮り方で、息苦しさが薄いのもありがたい。
急角度で潜航する時に艦員たちの身体が「スムース・クリミナル」のマイケル・ジャクソンのような斜めになるのがなんだか可笑しい。

「ハンターキラー 潜航せよ」 - 公式ホームページ

「ハンターキラー 潜航せよ」 - 映画.com


4月21日(日)のつぶやき

2019年04月22日 | Weblog

「バイス」

2019年04月21日 | 映画
ルアーを使った釣りの描写がたびたびはさまるのは「リバー・ランズ・スルー・イット」で見られるようなアメリカの原風景のようでもある一方で、毛バリというニセ物による世論操作の象徴でもあるのがラストではっきりする。

正体のわからない語り手によってチェイニーのバイオグラフィーが語られていくスタイルをとっているのだが、その語り手の正体がわかった時に誰もがチェイニーのような権力者とは無関係ではいられないのが納得させられる。見事な構成であり、強烈な批判精神の発露。

チェイニーに限らず、実在の存命中の人物を実名で描く、というだけでもいい度胸だが、それらのそっくりぶりがちょっと凄い。カリカチュアというより模写のようであり、その虚実皮膜ぶりに政治の本物のウソが見え隠れする。

政権がメディアを抑える、のを通り越して所有すると、所有しているわけではない他メディアまで大きな影響を受けるのをまざまざと示す。
当然、日本でもこういう操作は「学習」して実践しているわけだ。

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4月20日(土)のつぶやき その2

2019年04月21日 | Weblog

4月20日(土)のつぶやき その1

2019年04月21日 | Weblog

「静かなる叫び」

2019年04月20日 | 映画
「ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が故国カナダで実際に起きたモントリオール工科大学で起きた銃乱射事件を描く2009年作。

白黒の冷ややかな感触の映像からカナダの寒々しい空気が伝わってくるようで、それは乱射犯の心象風景でもあるだろう。

乱射犯がひどいミソジニスト(女性嫌悪者)で、女性「に」差別されているという被害者意識あるいは妄想の塊というのがいかにもで、単にモテないから腹が立つというレベルを超えた憎悪の塊。正直理解不能で、映画もそれらしい理由付けや解釈は示していない。

被害者側を架空の男女両方の学生に振り分けて描き、血みどろの描写を避けるバランスの取り方。クールでもあるし、やや退屈でもある。

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4月19日(金)のつぶやき その2

2019年04月20日 | Weblog

4月19日(金)のつぶやき その1

2019年04月20日 | Weblog

「多十郎殉愛記」

2019年04月19日 | 映画
クライマックスの長い立ち回り、大八車や戸板を捕り手たちが出してくる、それこそ阪妻の「雄呂血」かと思うような大クラシックな趣向で、長々と逃げ続けるのも弟と女を逃がすために時間稼ぎをするためという理由づけをしているのがいい。

高良健吾の目つきがファナティックな調子をよく出したし、褌姿はセクシーといえばセクシー。
ただし、逃げる二人にも追っ手がかかっているはずなのだがそのあたりの描写が手ぬるい。

ラスボス的な位置の寺島進をそれなりに理解も胆力もあるキャラクターにしているのだが、これがかえって悲壮美を損ねた感じにもつながった。体制側が理不尽な方が悲壮美は映えると思うのだが、そういう時代ではないか。

前半、全身を入れたフルショットでゆっくりとカメラが動いている。単調になるのを避けつつじっくり見せる、御年84歳の中島貞夫監督のベテランらしさというか。

画面はかなり暗くしてあるが見づらいほどではなく、殺陣はリアルな調子の一方であまり血のりや泥まみれ汗まみれにはしていない。
いろいろな段階の時代劇を通り抜けたあとでぐるっと回って原点回帰した感もある。

「多十郎殉愛記」 - 公式ホームページ

「多十郎殉愛記」 - 映画.com

4月18日(木)のつぶやき

2019年04月19日 | Weblog

「ハロウィン」

2019年04月18日 | 映画
第一作から40年以上経ったのをそのまま役にも役者にも反映させた珍しい続編にしてリブート。

第一作の監督・主演のジョン・カーペンターやジェイミー・リー・カーティスがexecutive producerとしてクレジットされているのに加えて製作脚本のデブラ・ヒルの名前もオリジナルキャラクター創造として出る。

ブギーマンと闘い続けたカーティス自身が現実のキャラクターであると共にブギーマンのようなフィクショナルで神話的な存在になる趣向が面白い。

逆に前半、マイケル=ブギーマンが素顔が見えそうではっきり見えないぎりぎりの線で描写し、完全にフィクションの世界の超現実的な殺人鬼にしないで現実的な範囲で暴力をふるう粗暴な男としても見えるように描き、これに祖母・母・孫娘の女性たち三代が対置する。

マイケルがいかにも男性的な巨体で包丁やハンマーなど力づくな暴力を振るうのに祖母が率先して銃をとって対抗する、何やらDVがエスカレートして発砲騒ぎになるアナロジーみたいにも見える。

かつてのスプラッターというかスラッシャームービーというのを思うと、殺し場の趣向がいまいちで単調ではある。

ムスタファ・アッカドに捧げるとエンドタイトルに出る。1930年、シリア生まれ。19歳でUCLAに留学。
イスラム世界側からの反論としてのスペクタクル「ザ・メッセージ」「砂漠のライオン」を「ハロウィン」プロデュースに先立って監督。

「ハロウィン」 - 公式ホームページ

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4月17日(水)のつぶやき

2019年04月18日 | Weblog

「ダンボ」

2019年04月17日 | 映画
CGでやるとなるとダンボもかわいい一方でそれ自体の実在感が強くなってアニメのようにデフォルメした上で自在に感情表現するというわけにはいかず、ある程度客観的に引いて見る方に感情を想像させる作りにしている。

マイケル・キートンやダニー・デヴィートといった「バットマン」同窓会みたいなキャスティングだけれど、疎外感や異物感はすっかり払拭されて、良くも悪くもティム・バートンも成功して健全になったと思わせる。古巣のディズニーの異端児がディズニーをしょっている感。

コリン・ファレルの父親が戦争で片腕になっているのもまったく特別視していない。
エヴァ・グリーンがセクシーで魅力的。こういう母親的キャラクターはバートンはあまり描かなかったのではないか。

「ダンボ」 - 公式ホームページ

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4月16日(火)のつぶやき

2019年04月17日 | Weblog