「池田信夫 blog」、最近はスルーしていたのだが、12月2日付で出ていた[「プロジェクトX」という錯覚]という記事には少し言っておきたいことがある。
彼は、<「プロジェクトX」に描かれているのは、日本経済をだめにした局所最適化の錯覚なのだ>と書いている。いかにも、経済学者が,頭の中でしか考えなさそうなことである。
別に番組のことを擁護しているわけではない。私も、この番組自体はそれほど見ていない。(中島みゆきのテーマソングは好きだが)しかし、考えてみるといい。日本は、科学技術なくしては生きられない国である。資源のほとんどない我が国が、世界の主要国の一環を占めていられるのも、科学技術の基盤があってこそである。元プロデューサーがどうしたという話や番組のつくりに対する評価はさておき、この科学技術の基盤を作ってきた先人たちの苦労を十把一絡げに「錯覚」であるとは、無知もはななだしい。大きなプロジェクトには、新しい技術開発がつきものであり、開発された技術は、色々なところで役に立ち、国を豊かにしていくのである。たとえば、かって、飛行機中心の戦闘という、時代の波に乗り遅れ、あっけなく沈んでしまった戦艦大和も、池田氏に言わせれば、「局所最適」の最たるものと一刀両断されてしまうのであろう。しかし、大和で培われた技術は、戦後の日本の復興に大きく寄与しているのである。
もちろん、すべてのプロジェクトがそうとは限らないのは当たり前の話だが、彼のように、あの番組で取り上げられたものがすべて「局所最適化の錯覚」と一刀両断するのは、あまりに乱暴ではないだろうか。
彼は、プロジェクトXのポスターに出ている<ヘルメットのおじさんのような労働者>を、<「できるかできないか一切考えない。ただやる。無我だ。真っ白だ。突撃だ」という、くさいナレーションが「効く」のだろう>とバカにしているが、果たして、日本に本当に必要なのは、科学技術を支える技能者か、それとも空論をもてあそぶ経済学者なのだろうか。
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もちろん、すべてのプロジェクトがそうとは限らないのは当たり前の話だが、彼のように、あの番組で取り上げられたものがすべて「局所最適化の錯覚」と一刀両断するのは、あまりに乱暴ではないだろうか。
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