![]() | 相対性理論 (岩波文庫) |
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岩波書店 |
昨日、今日は、放送大学の面接授業、「アインシュタインは何を考えたか」を受講して来た。1905年に発表された、アインシュタインの特殊相対性理論の論文(もちろん翻訳されたもの)を輪講形式で読んでいこうというものだ。講師は、米谷民明さん。専門は、超弦理論だが、この理論が重力を含んだ理論だとということを北海道大学の院生時代に発見したということが、大栗博司氏の「大栗先生の超弦理論入門」(ブルーバックス)でも紹介されていた。ちなみに、同書には、大栗氏による似顔絵も掲載されているのだが、こちらは、ちょっと微妙な感じか。似ていると言えば似ているような気が・・・。放送大学は、このように、その道での一流の人から学ぶことができるというのが魅力だ。
使ったテキストは、アインシュタインの論文の翻訳である「相対性理論」。岩波文庫の一冊で、訳者は、こちらも著名な物理学者である内山龍雄さんだ。この論文の前半である「運動学の部」を2日間に渡って紐解いていくわけだが、思ったのは、けっこう読みにくいということ。特殊相対性理論は、いくつかの教科書を勉強したことがあるが、それほど読みにくいと思ったことはない。しかし、アインシュタインの論文は、表現が回りくどい上に、数式を使う時にかなり省略している部分があり、エレガントな感じがしない。昔、ランダウ・リフシッツの物理学小教程で、相対性理論に関する部分を読んだ時には、エレガントな書き方に感心した覚えがあるのだが。しかし、相対性理論といえば、なんといってもアインシュタインである。その思考過程に触れることができたのは有益だったと思う。