俺、ツインテールになります。 (ガガガ文庫) | |
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小学館 |
最近、深夜アニメを録画しておいて、後で見ることがマイブームになっているが、その中で、最も気に入っているものの一つが、この「俺、ツインテールになります。」(水沢夢/ガガガ文庫)だ。なにしろ、設定のおバカさが半端じゃない。
表紙イラストの幼女体型のツインテール美少女が主人公のテイルレッド。タイトルに「俺」とあるが、どこかの田舎のお婆さんのように、自分のことを「俺」と呼ぶ、「俺っ娘」と言う訳ではない。その正体は、観束総二という、高校一年生の立派な男子だ。
この観束総二、ちょっと変わった趣味がある。女の子自身より、そのツインテールの方に魅かれてしまうという、ツインテール大好き少年なのだ。だから、高校生活初日の、部活希望のアンケートに、つい「ツインテール部」なんて訳の分からないことを書いてしまう。
そんな彼に、異世界から来たトゥアールという美少女が近付いてくる。この世界がアルティメギルという異世界の怪物たちに狙われているというのだ。彼らは人の属性力(エレメーラ)を奪って生きている。属性力といっても、ファンタジーで良くあるような、風属性とか火属性といったような高尚なものではない。リボンだったり人形だったり、貧乳だったり巨乳だったりと、要するに「萌え」属性のことだ。その中で最強の属性が、ツインテール属性という設定なのである。
なんというアホな設定。アルティメギルは、仮面ライダーに出てくるショッカーの怪人に、「萌え」属性を持たせた「変態さん」を連想すれば、かなり近いのではないかと思う。総二は、トゥアールから渡された空想装甲(テイルギア)により、テイルレッドに変身して、敵と戦うことになるのだが、その変身後の姿が、表紙イラストなのである。つまり、変身すると、ヒーローのはずが、ツインテールのヒロインになってしまうのだ。要するに、主人公が女の子に変身して、変態さんの怪人たちと戦っていくというのが、この作品の基本的な流れである。怪人たちがどんな変態さんなのかというのが、一つの見どころであるのは間違いない。
もうひとつの見どころは、事あるごとに、総二に迫ってくるトゥアールと、それを阻止しようとする総二の幼馴染の津部愛香のツッコミ。愛香は、総二のことが好きなので、彼が大好きなツインテールにしているのだが、総二が見ているのはツインテールの方ばかり。そんな愛香のトゥアールへのツッコミは、パンチにキック、バックドロップとなかなか過激だ。彼女も、やがてテイルブルーとして、総二と共に闘うことになるのだが、テイルレッドが大人気なのに対して、テイルブルーの方の評判は、なぜか最悪。やはり、凶暴なところが人気が出ない原因なのか。
トゥアールは、総二の母親にも気に入られていて、いつか息子を男にしてやってねなんて言われている。愛香は、果たして、トゥアールの魔の手?から総二を守りきれるのか。いったいこの3人の関係はどうなっていくのか。そして、アルティメギルは、いったいどんな変態怪人を繰り出してくるのか。度外れたアホらしさによる笑いの連続。とにかく理屈抜きで面白い。
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