・花房観音
これはタイトルからも想像できるように、もちろんあの有名な「半七捕物帳」のパロディである。まあ最後に掲載されている「謝辞にかえて」の中で、著者が、「岡本綺堂先生、ごめんなさい」と誤っているからいいか。
ストーリーは、徳川将軍家の血を引くお七が、右乳に葵の紋のタトウを入れて、花のお江戸で起こるエロエロ事件に挑むというもの。この辺り、色々交じっているような気もするのだが、そんなことは気にしない。敵を前にすると、お七は、この紋が見えるようにふくらみまでは見せるのだが、決して先っちょは見せない。
そして決め台詞のバリエーションは色々あるのだが、必ず江戸をエロと言い間違えて訂正するのだ。例えばこんな具合。
「エロ・・・・・・いえ、江戸の悪は、決してこのあたしが許さない。」(p257)
敵は徳川に恨みを持つ伊賀忍者の末裔という桃雲斎と丈円というふぇろもん出しまくりのエロ坊主。
お七といっしょに行動するのが、同心の片山兵衛。こちらは大体が敵の手に落ちて男からいろいろとやられる(うわっ、想像しただけで鳥肌が!)係だ。
そしてお七の子分の金と玉 正確な名前は金之助と玉五郎。‥お七が呼ぶときは大体二人の頭文字を続けて呼ぶ。妙齢の娘がなんとはしたないことを・・(笑)
それにしても、ぱいずり花魁とか、吉原おっぱい軍団とかえすえむとか、なんやねん。アイドルも真っ青の坊主っ子組みだとか坊主っ子組みじゅにあなんてのも出てくる。真面目に読めばツッコミどころ満載なのだが、そんなことをするのは野暮というもの。とにかく笑えるのである。
こういった明らかなパロディものは大好きなのだが、そこはさすがに花房観音。エロエロな場面も結構あり(でも笑ってしまう方が多いかな)なかなか楽しめる。
☆☆☆☆
※初出は、
「風竜胆の書評」です。