こじらせママ 子育てしながらココナッツオイルで年商7億円。 | |
クリエーター情報なし | |
集英社 |
・荻野みどり
本書は一言でいえば、著者がこれまで歩んできた道とでも行っていいだろうか。著者の荻野みどりさんは、まだ男尊女卑の文化が残る九州で生まれ育ち、地元の短大に進んだが、退学して地元の会社に就職し、もっと大きな世界が見たいと家出同然に東京に出る。そこで転職に次ぐ転職。学歴も放送大学、駒澤大学、慶応の通信といずれも退学。結婚して娘を設けるも離婚。しかし、ブラウンシュガーファーストというお菓子屋さんを創設し、ココナッツオイルの魅力に行き着く。
私は、ココナッツミルクについてはよく知らないし、オーガニックというものにもあまり興味はないので、もっぱら仕事法という観点からレビューしてみたい。本書には、いろいろと参考になるような事項が見受けられる。
例えば、自分の求められている役割を洗い出して、現実とのギャップを明確にして、進めるべきものとそうでないものを区分することが紹介されている。これはなかなか良いやり方だと思う。人間の能力には限りがある。あれもこれもできるわけがない。何かをやろうと思ったら何かで手を抜くことも大事なのである。
また、本書では、自分がやる必要のない「Do not List」を作るのも一つの手だと言っている。なんでもかんでも自分でやろうとせず、人にやってもらった方が効率的なものはアウトソースを検討すべきだろう。
このように、ココナッツオイルやオーガニックにあまり関心がなくとも、視点を少し変えて読めば、参考になることは多いのではないだろうか。
☆☆☆
※初出は、「風竜胆の書評」です。