・前田めぐる
本書は、表題にSNSとはあるが、正確にはソーシャルメディア(SNS+ブログ)の文章術として書かれたということである。
書かれている内容を一言で表せば、読む人が分かりやすいような文章を、読む人の立場に立って書くための方法である。これは、ソーシャルメディアのみならず、色々な場面で約に立つのではないだろうか。例えばPTAの会報などを書くときにも参考になるだろう。
本書で特筆すべきは、著作権について注意をしていることがあげられるだろう。世間では著作権についてあまり理解されておらず、ソーシャルメディアなどでも「これ著作権大丈夫かいな?」と思うようなものをよく目にする。一般に著作権の内容は、結構複雑であり、気にしすぎるくらいでちょうどいいのだ。
ただ、ちょっと気になることがある。このように書かれているからだ。
<ただし、著作権には、著作者人格権と財産権があります。著作権が財産として第三者に渡った場合には、著作者の死後50年を経ても権利者以外の他人が自由に使うことはできません。>(p199)
実は私は「ビジネス著作権 上級」の検定試験に合格している。私の理解では、著作権というのは多少の例外はあるものの、原則著者の死後50年保護される。著作権が譲渡された場合にそれが中断されるかどうかについて色々調べたのだが、それらしいものは見当たらなかった。元となる著作権法も調べたのだがそれらしい規定は見当たらない。もし根拠があるのなら、示してほしいと思う。
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※初出は
「風竜胆の書評」です。