電力の15年間 平成29年版 (電験3種過去問マスタ) | |
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本書の性格を一言で言えば第三種電気主任技術者試験における電力分野の過去問集である。科目は現在、理論、電力、機械、法規の4科目である。昔私が受験した頃は6科目に分かれており、すべて同じ回に合格しなければならなかったが、現在は科目合格制度が採用されているので、3年間ですべての科目に合格すればよい。
電気主任技術者は、電気事業法に定められた国家試験で、電気設備に関する工事、維持、運用の保安の監督ができる。第一種から第三種までの3区分があり、第三種の免状があれば、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物(ただし出力5千キロワット以上の発電所を除く)が扱えることになる。だから世の中の需要は結構多い。なお、電気事業法の定める主任技術者には、このほかにボイラー・タービン主任技術者とダム水路主任技術者があるが、試験により取得できるのは、電気主任技術者のみである。
一応レベルは高卒程度となっているが、大学で電気を学んだはずなのに落ちる人がいる反面、文科系の人でもがんばれば合格できるのがこの試験である。
本書は過去出題された問題が、見開きで丁寧な解説付きの回答とともに示されている。私はこれまで100近い資格試験に合格しているが、ほとんどのものは、過去問を繰り返し解くというのが勉強法である。第三種電気主任技術者試験も、おそらくその例外ではないだろう。
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※初出は、「風竜胆の書評」です。