本書は、架空の市であるみのり市にある某高校の地域活性研究部に所属する女子高生5人が、ゆるゆる・コミカルながらも、自分達の住むみのり市の問題点を洗い出していくというもの。彼女たちは、結構鋭い視点で問題点に目をつけていく。
さて、この3巻での視点は、なぜ自治体は、駅前を補助金を出してまで活性化しようとしているのか? それにも関わらず、なぜ店は郊外に出ていくのか? 地域活性研究部の面々は、駐車場代の問題が大きいと看破する。確かに地方では、車がないと生活ができないという現実がある。逆に言えば、車があれば、別に店がどこにあってもよく、駅前に拘る必要はないのだ。そして平均収入が都会より少ない地方にとっては、駐車場代というのは結構大きな問題である。
世の中には福井県にある鯖江市のようにJK課なるものを作って、女子高生の視点からまちづくりをしていこうという自治体もある。女子高生というと、あまりこのようなことには向いていないというイメージがあるが、それは偏見というもの。ちゃんと意見を聞いて使えるものはまちづくりに活かしていけば、案外と生真面目だけなおじさんには考えつかないようないいものを持っているものだ。それに、こんなに可愛い女子高生が、自分達の住むまちの将来を考えているというのは、おじさんたちにとってはうれしいのでは?
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