本書は、言うなれば、なろう系異世界不遇職成り上がりストーリーとでも言おうか。作品世界では不遇職と思われているものが、実はものすごいスキル持ちで全然不遇職ではなかったというもの。
主人公はアイクと言う青年。そして、彼の遣う美少女人形フレア。10歳のときに、職業が人形遣いと言うことを告げられたらしい。人形遣いというのは、人形を操る職業である。他の人形遣いは、人形を道具のように扱うのだが、彼は人形をものすごく大事にしていた。
ノード率いる勇者パーティでは、案の定アイクは碌な扱いをされていない。大体この手の話に出てくる勇者は、誰が選んだよとツッコミたくなるほど、クズが多い(たまにまともな勇者が出てくる話もあるが。どうもこの世界では女神に選ばれるらしい。その女神さま、目は節穴かい?)。この作品も、その例に漏れない。
セプティム大迷宮を探求していたときのこと。ノードのせいでパーティは転移魔方陣の罠にかかり、3階層から5階層のボス部屋に飛ばされる。そのボスというのがミノタウロスで今のパーティの実力では絶対にかなわない。ノードたちが秒で逃げ出すのだが、その際石橋を破壊して追ってくるミノタウロスをアイクもろとも下に落とそうとしたのだ。
フレアといっしょに落ちるアイクだが、その途中で彼の能力が進化する。人形遣いと字はいっしょだが、「ドール・オペレーター」から「フィギア・マスター」になったらしい。(違いが良く分からないが) それにともない、フレアにも自分の意思が宿り、完全自立型に進化する。
この作品の見どころは二つだろう。アイクの能力がどのように進化していくのか。そして、ノードはどんなざまあ的な結果になるのかということ。
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