ヒロインはクリスティ・クリスタル・マーガレット・ホープ(愛称クリスティ、レディと呼ばれることも多い。)という伯爵令嬢の幼女。今は伯爵令嬢だが、父親がヴィクトリア女王の最後の子で、公爵家の次期当主なので、やがては公爵令嬢になる予定だ。
この物語は、クリスティが色々な難事件に挑むというものなのだが、彼女の伯父さんと言うのがあのシャーロック・ホームズなのだ。母親の兄という設定である。つまりクリスティはホームズの姪っ子と言う設定である。俗に「血は水より濃い」と言うが、クリスティは伯父に劣らず鋭いのだ。なにしろホームズの相棒のワトソンが3時間かかって理解した事件を、3分で理解し彼を落ち込ませるほどだ。
このクリスティのメイドたちが個性豊かである。メイド長のアンヌマリーは一見上品な美女なのだが、実は二丁拳銃を持ったら最強のメイド。その部下のノーラは、育ちがあまり良くなく読み書きはできないものの、クリスティへの忠誠心が非常に高い。先端が二股に割れている鞭(フルグラム)を武器にしている。この「クリスティ ハイテンション」の続編である「クリスティ・ロンドンマッシブ」ではなんとノーラがメイド長に昇進しており(アンヌマリーは結婚してメイドを辞めている。)、その部下もなかなかに個性的なメイドだ。
既存の物語をモチーフにした作品はいくつか知っているが、ホームズには実は鋭い姪っ子がいたという設定が面白い。そして美幼女というのもいいだろう。続編では成長して美少女になったクリスティも出てくる。本書を読めばあなたもきっとクリスティのファンに。
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