文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
執筆依頼、献本等歓迎。

書評:ゴールデンカムイ

2018-05-14 09:38:17 | 書評:その他
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックス)
クリエーター情報なし
集英社

・野田サトル

「俺は不死身の杉元だ!」

週刊ヤングジャンプで連載中で、深夜アニメでも放映中の本作。時は明治、日露戦争の直後である。場所は北海道だ。

 日露戦争帰りの元軍人杉元は、亡くなった戦友の願いに応えるため、北海道に渡り砂金を探していた。そんな彼が聞いた奪われたアイヌの金塊の話。その隠し場所は、網走監獄を脱獄した囚人たちに入れ墨されているという。そして金のありかは、囚人の入れ墨を全部合わせると分かるという。

 杉元は、ヒグマに襲われたときに助けてくれたアイヌの美少女アシリパとともに金塊の行方を追い求め始める。

 巷では、アシリパさんの変顔が話題になってるらしいが、なかなか可愛らしいキャラである。対するは、新選組鬼の副長・土方や、金塊を狙う、鶴見中尉率いる第七師団の小隊。アニメで放映されているので、途中までの筋書きは分かるのだが、その後どう展開していくかは本の方を読まないとだめだろうな。

☆☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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放送大学面接授業(文化と心理学1日目)受講

2018-05-12 18:11:03 | 放送大学関係
 今日は放送大学広島学習センターの面接授業で「文化と心理学」を受講してきた。要するに「文化心理学」というやつだが、この心理学頭に何かつけるともうそれだけで、特定の分野を形成しそうな感じだ。例えば「宗教心理学」とか「戦争心理学」とか。これが工学関係にになると、宗教電気工学だとか戦争電気工学なんてちょっとあり得ない(もしかすると細々と研究している人がいるかもしれないが)と思う。電気を外して、宗教工学・・・ありそうにないなあ。戦争工学・・・もしかしてあるかも?

 それにしても、心理学関係の科目って、いつも思うんだけど女子比率が高いなあ。なんだか肩身が狭い・・・。2日目は2週間後だ。


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書評:Wait, What?(ウェイト、ホワット?) ハーバード発、成功を導く「5つの質問」

2018-05-10 09:32:05 | 書評:ビジネス
Wait, What?(ウェイト、ホワット?) ハーバード発、成功を導く「5つの質問」 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
クリエーター情報なし
ハーパーコリンズ・ ジャパン

・ジェイムズ・E・ライアン、(訳)新井ひろみ

 本書はハーバード大学教育大学院長の著者が卒業式に行ったスピーチを基にしたものだという。卒業式のスピーチが動画でインターネットに公開され、それがハーパーコリンズの編集者の目に留まり、本として出版されたとのことだ。それは「良い質問」をするための5つの鍵。言い換えれば、何か質問をしようとする時に、効果的な質問をするための5つの問いである。

 語られるのは次の5つ。

1.Wait,What?(待って、それ何?)
2.I Wonder・・・?(どうして~なんだろう?)
3.Couldn't We at Least・・・?(少なくとも~はできるんじゃないか?)
4.How Can I Help You?(何かできることある?)
5.What Truly Matters?(何が本当に大事?)

 これらについて各一章を割いて、例を交えながら詳しく語っている。通常の質問をするような場面のみならず、交渉のときなどにも使えるものも多い。

 私はよく講演会を聴きに行くが、最後に質問の時間があることが多い。質問される内容で、これはいい質問だと思ったことはほとんどない。質問のための質問のようなものも結構多く、中には質問と言いながら、自分の意見を長々と述べる人間もいる。いい質問をするというのは本当に難しい。本書を一読すれば、効果的な質問を行うためのフレームワークのようなものが形作られるのではないかと思う。

☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

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書評:京都烏丸御池のお祓い本舗

2018-05-08 09:39:19 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
京都烏丸御池のお祓い本舗 (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

・望月麻衣

 主人公の木崎朋美は、静岡出身。京都で就職してたったの1年でリストラされ、城之内隆一の探偵事務所に拾われることになった。城之内は東京で弁護士事務所を開いていたが、経営に失敗して地元京都に舞い戻り、今は探偵事務所を開いている。

 ところがこの事務所に来る依頼は、迷子の動物探し程度。しかし、不思議になぜだか経理的には余裕がある。実は探偵事務所というのは表の顔。その実態は、魔界都市京都らしい怪異の関連する事件を請け負っているお祓い事務所なのである。

 朋美は自分は霊感に縁がないと思っていたが、実はいるだけで怪異の方から避けていくという強力な防護体質。ちなみに所長の城之内は霊を感じることができる人。そして高校生アルバイトの高橋海斗は、霊が見える人だ。

 この凸凹トリオが、魔界都市京都に起こる怪奇な事件に挑むというのが基本的なストーリーである。

 笑ったのは、このトリオが現場に踏み込むときに、朋美が先頭を歩かされるところだ。もちろん、朋美の防御力を期待してのことだが、後の二人曰く、レディファーストらしいが、ちょっとなんだかなあ・・・。

 ところで、集まった怪異を退ける呪文だが、朋美は「アビラウンケンソワカ」をアラビアンナイトみないな呪文だとうろ覚えで、「アラビアンソワカ」と言っている。でもそれでちゃんと効果を発揮しているのだから面白い。

 同じ作者の人気シリーズである「京都寺町三条のホームズ」の登場人物も少し登場しており、この辺りは人気シリーズを持っている作者の強みか。また、海斗には何か謎があるようだ(本人はまったく記憶していないようだが)が、これがどのようにこれからの展開に影響してくるのか気になる。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
 
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書評:人工知能時代に生き残る会社は、ここが違う!

2018-05-06 09:43:23 | 書評:ビジネス
人工知能時代に生き残る会社は、ここが違う! リーダーの発想と情熱がデータをチャンスに変える
クリエーター情報なし
集英社

・ジョシュ・サリヴァン、 アンジェラ・ズタヴァーン、(訳) 尼丁 千津子

 本書によれば、人工知能時代を生き残るのは、マセマティカル・コーポレーションであるという。ここで、マセマティカル・コーポレーションというのは、企業活動にマシンインテリジェンス(MI)を活用している組織のことを言う。そしてその活動の源泉はデータ活用にある。我々の周りには天文学的な量のデータが存在している。

 人間は、主に目と耳で外界の情報をインプットしている。しかしその処理速度には限界があるのは言うまでもない。ところがこれがコンピュータになると、無数のセンサーからの入力を短時間で処理することができる。そして、その処理速度は年々上がっているのだ。コンピュータの優位性というのは、人間には処理が不可能な大量のデータを迅速に扱えるところだろう。

 しかし、その一方で、コンピュータは与えられたアルゴリズムに従って、データ処理をしているに過ぎない。どのようなアルゴリズムを与えるのかについては、人間様の出番ということになる。また、コンピュータにどのような問題を与えるかについても人間様の領分なのである。

 本書を読んで思ったのは、これから生き残れる会社の条件は、ビッグデータを活用できることのようだ。今後は、人間とコンピュータがうまく役割分担をしていくことが重要になるだろう。その一方では、これまでコンピュータの得意な領分で仕事をしていた人間はその役割を奪われていくのだろう。考えてみれば、文明の発展とともに、多くの職業が無くなっていった例はいくらでもある。人間様も新たな変化に適応していかなくてはならないのである。

 ところで、帯に、「ビッグデータを生かせるリーダーの共通点は文系力だった」とあるが、ここで文系力とはいったいなんのことを言っているのだろう。本書中に何か明確な定義があるかと気をつけて読んではいたが、それらしいものは見当たらなかったのだが。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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書評:小説ヤマト運輸

2018-05-04 09:56:31 | 書評:小説(その他)
小説ヤマト運輸 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

・高杉良

 高杉良と言えば経済小説の巨匠として知られる存在だ。昔は時折読んでいたが、この作品を目にして、そういえば最近読んでいないなあと思い買ってきたという訳である

 本書の主人公はそのタイトルの通り、ヤマト運輸二代目で宅急便というサービスを作り出した小倉昌男だ。その父である創業者小倉康臣の物語もかなりのスペースを割かれている。この二人は実名で登場するが、昌男の後を継いだ彼の懐刀のような人物の名は鈴木となっている。

 しかしヤマト運輸の歴代社長を調べてみると3代目社長は都築幹彦氏になっているので、音の類似性だけを残して仮名で登場させているようだ。しかし、ちょっと調べれば誰がモデルになっているのかはわかるので、あまり仮名にしている意味はないと思うが、この辺りは、タイトルに「小説」と入れていることから、フィクションの部分が大分入っているのだろうか。

 面白いのは、運輸省(当時)や郵政省(当時)との闘いだ。国民主権の世である。本来国の役目とは、国民に不利益が生じないように利害の調整を図ることではないのか。しかし、昔ながらの御上意識を持っていてはとても国民主権の世にマッチしているとは思えない。

 例えば、この作品の中の運輸官僚の次のようなセリフだ。

<小倉さんっていう人もいい度胸していますねぇ。御上に盾突いて、喧嘩を売るんですから>(p313)

 これは小説の中のセリフであるが、本当にこんな意識を持っているのなら、公務員を辞めた方がいいし、省庁全体にこんな意識が蔓延しているのなら、そんな省庁は解体した方がいいだろう。一番問題なのは、国民からお役所がそんなところだと思われているところではないかと思う。

 許認可事項ひとつとっても、お役人は平気で年単位で審査を遅らす。企業は監督官庁に逆らうとしっぺ返しが怖いからと、少々の無理難題はご無理ごもっとものような対応になってしまうのではないか。一応行政不服審査法というものがあるが、どこまで機能しているのだろう。企業はヤマト運輸の闘い方を参考に、お役所に不要な権力を持たせないように、もっと裁判などを活用すればいいような気がする。

 この他、宅急便のシンボルマークであるあのネコの絵をデザインした斎藤武志(砂上)のあまりにもドラマチックなエピソードも描かれている。元々あのマークは、米国最大のトラック会社であるアライド・ヴァン・ラインズ社のマークを参考に、斎藤がデザインしたもののようだ。

 高杉作品のすごいところは、まるで見てきたように、生き生きと企業に関するドラマが描かれるといったところだろう。その裏には、かなり綿密な取材活動などがあったのだろうと推測する。最後に、あとがきに書かれている次の言葉を紹介して終わろう。これは、作者が複数の人から聞いたという小倉昌男氏の言葉だということだ。なお、高杉氏は、この作品を小倉氏には一度も会わず書いたとのことである。

<高杉良も、俺に会わないであそこまで書けるなんて、大したタマだよなあ>(p379)

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。


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頂き物の本は自分の勉強に

2018-05-03 14:16:35 | オピニオン
 私は読んだ本の書評を書いて読了ということをマイルールにしている。だから本当は読んではいるが書評を書いていないものが結構ある。そういったものはマイルールでは読了扱いにはならないのだ。だから、どんどん未読扱いの本が溜まっていく。

 そういった本は、もちろん自分で買ったものがほとんどだが、最近は頂きものも多い。そして一度ご縁のあった出版社などからは、結構継続して頂き物があるのだ。私が得意なのは、科学技術の分野、内部監査・ビジネス分野であるが、活字さえあれば一応何でも読む。もちろん、分野により得手・不得手はあるが、基本的に頂き物は読んでレビューを上げるようにしている(中には読むのに時間がかかるものがあるのが難点だが)。

 それは、たぶん自分の興味が赴くままに選んでいれば絶対に手にしないなという本に、頂き物の場合は触れる機会があるからだろう。頂き物をレビューするというのは、放っておけば勉強しない分野を強制的に勉強させるという効能もあるのだ。だから基本的には本を頂けるというのは大歓迎である。しかし、それは決してちょうちん持ちになるのではない。大八車も押さない。自分の興味や価値観に基づいて思ったように評価する。だから、厳しめの評価になるような本も多い。特に精神論のようなものに対してはあまり評価しない傾向があると思う。

 もっとも最近は色々とあたふたしているので、レビューを上げるのが遅れ気味になっている気もしないではないが。それでも暇を見つけては、読書に励んでいるので、頂き物については順次レビューを上げていきたいと思う。

 
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書評:銭湯:「浮世の垢」も落とす庶民の社交場

2018-05-01 21:58:25 | 書評:学術・教養(人文・社会他)
銭湯:「浮世の垢」も落とす庶民の社交場 (シリーズ・ニッポン再発見)
クリエーター情報なし
ミネルヴァ書房

・町田 忍

 昔のちょっとませた男の子のあこがれの職業といえば、銭湯の番台だった。今はまず銭湯に行くことはないので、現在どうなっているのかはよく知らないが、昔は、いろいろと見放題だった(少なくとも多くの、ませた少年はそう想像していた)のである。しかし、そんな 銭湯も今や絶滅危惧種といっても過言ではない。本書によれば、1968年には18325軒もあったものが現在(2015年10月現在)では4000軒を切るまでに減っているという。

 私の生まれ育った場所は田舎だったので銭湯というものはなかった。初めて銭湯というものに入ったのが、大学進学のために京都で一人暮らしを始めてからだ。昔は学生用のアパートと言えば風呂などないのがデフォで、その代わりにいたるところに銭湯があった。

 これは余談だが、当時住んでいたのが坂の上なので、原付で銭湯に通っていた。風呂から上がってみると、バックミラーが無くなっているのは何度も。ひどいときはリアサスペンション(後ろにある大きなバネのような部品。わからなければググってほしい。画像がいくらでも出てくるので)やハンドルについているグリップ部分が片方無くなっていたこともある。バックミラーはまだわからないでもないが、リアサスペンションやグリップなんて盗んでどうするんだろうと、憤るよりは不思議だった。

 本書は、庶民の社交場たる銭湯の歴史から始まり、全国の銭湯に見る地域性や銭湯建築銭湯の浴室に描かれる絵画などを紹介している。私は三助さんを実際に見たことはないが、知識としてはかってそのような仕事があったのは知っていた。かなり昔に絶滅した職業だと思っていたのだが、最後の三助さんが引退したのが2014年だというから意外だった。また、幕末の頃には、銭湯の近くに住んでいた人は、男女を問わず素っ裸で自宅に帰る場合もあったようである。今ではちょっと考えられないことだ。

 温泉のようなものを除けば、これだけ内湯が普及している世の中だ。通常の銭湯というものは、衰退していくのは避けられない運命なのだろう。しかし、我が国には、確かにこのような庶民文化があった。それを忘れないためにも、このような本が出版される意義は高いと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。
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世羅高原農場(バスツアー(3))

2018-05-01 19:33:23 | 旅行:広島県

 「花夢の里」を出ると、次は「世羅高原農場」に行く。ここではこの時期チューリップがきれいだ。





 写真でわかるように、色とりどりのチューリップが咲き誇っている。園内に、ご当地バーガーを売っているところがあったが、昼食を摂ってそれほど時間も経っていないため、今回はパスした。今度行く機会があれば、ぜひ食してみたいと思う。


〇関連過去記事
花夢の里(バスツアー(2))
八天堂(バスツアー(1))
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