晴れ、27度、91%
牛の乳から作られる白カビのチーズといえばカマンベールですが、そのカマンベールをひと回り背を高くしたのが「シャウルス」です。シャンパンで有名な南フランスシャンパーニュ地方で作られているチーズです。
形はカマンベールと似ていますが、カマンベールよりもっと繊細な舌触りで乳臭さがありません。といってもそれはこのチーズが若い間だけです。うっかり冷蔵庫にいれたままにしていたことがありました。切ると中から黄色いチーズが流れ出して来ます。癖が無いチーズと思っていたものが、癖だらけのチーズに変わっていました。独特のかび臭さ、溶け出す程柔らかいのにふた口程でお腹いっぱいなる濃厚さです。若いうちは軽やかで素直なチーズが、歳をとると一癖も二癖もある年増女を思わせるチーズになってしまいます。
チーズはその産地のワインと一番の相性だといわれます。つまり「シャウルス」はシャンパンと相性がいいのでしょう。生憎、シャンパンとこの「シャウルス」を一緒に頂く機会がありません。若いうちの「シャウルス」は果物と一緒に食べると美味しく感じます。たまたま冷蔵庫にあったブルーベリーと食べてみました。これは私のおやつです。チーズと洋梨、チーズと葡萄、チーズとイチジクいろんな組み合わせをしてみますが、果物とチーズはそれぞれの個性を引き立ててくれるようです。
時間のたったとろける「シャウルス」は、果物とは合わないと思います。シャンパンだって負けてしまう程の強い個性です。古い「シャウルス」を食べるときは、しっかりした赤ワインでやっとバランスが取れそうです。発酵食品は、時間とともに味が変わるところが面白い、などと考えて若い「シャウルス」とブルーベリーを食べていました。 ホラやって来ましたよ。モモさんにも少しね。