晴れ、26度、88%
葉っぱに乗っかって出て来る食べ物、葉っぱに包まれた食べ物、西にも東にも見られます。桜餅、柏餅、柿の葉寿司、ちまき、麸饅頭。ギリシャの葡萄の葉っぱでお米を包んだドルマドギア。栗の葉っぱに包まれたチーズ。中国には蓮のちまきご飯、笹の葉のちまき。タイの「ガイホバートーイ」鶏肉をバイトーイの葉っぱで包んだ料理です。もっともっと沢山の葉っぱの器があるはずです。昔のおにぎりは竹皮に包まれていましたね。
葉っぱに包まれたり、葉っぱに乗っかって出て来る食べ物は、食卓が楽しくなります。そして、葉っぱの持つ香りがなんといっても楽しみです。葉っぱに包まれた料理は、その葉っぱの香りを楽しむためのものだといつも思っています。桜餅が食べたいなあと思えば、取りも直さずあの香りを思い浮かべます。蓮の葉のちまきご飯を食べたいなあと思えば、蓮の葉の深い香りを思い浮かべます。青青としている葉っぱと同じ葉っぱでも乾燥させるとまた違った香りがして来るから不思議です。
香りばかりか葉っぱの殺菌作用も葉っぱの大事な役目です。柿の葉寿司なんてその最たるもの。我が家のタイ人のお手伝いさんが教えてくれました。タイではバナナの葉っぱに食糧を包んで保存するのだそうです。タイでは手の届くところにあるバナナの葉っぱです。タイに行くとこのバナナの葉っぱに載せられた食べ物が沢山出て来ます。緑の葉っぱのお皿です。
先日、和食を頂く機会がありました。コース料理ではなく、一品一品ずつ頼みます。メニュウーを眺めていると、さっと出されて来たのが、朴葉に乗った海老でした。背割りにした海老をお酒を塗りながらさっと焼いたものにイクラが散らされています。秋を告げるキノコの焼き物に海老の糝薯が添えられて、お酒を口にする前の一口には持ってこいの一品です。青紅葉の葉っぱの下には小さな大学芋がありました。この甘みが絶妙です。大きな丈夫な朴葉は火にかけることも出来ます。火を通すといい香りです。乾燥させた朴葉をお皿代わりに、あっと驚く、そんな趣向です。
イチジクの木があった頃には、あの面白い形をした葉っぱをガラスのお皿に敷きました。初夏にハランの緑に載って出て来るお寿司も清々しさを感じます。そろそろ、赤紅葉が恋しくなる頃になりました。