小雨、23度、87%
福岡の護国神社で蚤の市があっています。この蚤の市、春の時もそうでしたが、たまたま朝走りに出かけてその存在を知りました。走りに向かう大濠公園のすぐ隣が護国神社です。昨日の朝も出店を出す人達の車が並んでいます。そういえば春秋に蚤の市があると言っていたなと思い出します。お昼前まで秋雨前線の雨が降っていました。大型の台風が九州南部に近づいています。お昼前に雨が小雨に変わりました。「蚤の市に行ってみようかな。」近隣の駐車場が満車なら帰ってくるつもりでした。お目当の物があります。運良く駐車場は空いていました。さて、お目当のお店は出てるでしょうか。雨と台風の影響を心配してか、春の時より店数が少なく感じます。見に来ている人の数はお天気には関係ないようです。
お目当のものは、箒です。春来た時に白木の柄の手作りの箒やブラシを売っているお店がありました。使いやすそうなブラシ、スッキリとしたデザインが心に残っています。そんなに大きな蚤の市ではありません。ぐるりと回っても箒のお店はありません。参道を元来た方角に戻ります。 小物家具は状態はいい物が揃っています。
着物はあいにく見られた代物がありません。食器も細々しています。ただどこから手に入れたのかシルバーの古いカトラリーのいい物をたくさん見ることができました。
大きなテント張りのフードコーナーにはいい匂いと今までの縁日の雰囲気ではないお店が出ています。スコーン専門店、シフォンケーキ専門店、オーガニックのお店。
私が香港から持ち帰ったインドのマサラを売る店もあります。お目当のお店がなかったのでゆっくりと物見遊山です。
バスケットを売る店の数も春に比べて少なく感じます。有田焼の源右衛門の物を並べている店の前を通りました。奥にはけばけばしいお重箱などが並んでいます。通り過ぎようとした時、お重箱の横にお膳が積まれているのが見えました。
店に入って手に取ってみました。隅切りの低めの足がついたお膳です。畳の上で使うのではありません。テーブルの上で使います。この高さがちょうど良く感じます。一番惹かれたのは、本朱と洗朱との中間くらいの朱の色です。 古いものですから擦れも見えます。ご主人と値段の交渉です。台風で2日目の今日の蚤の市は中止となったそうです。だからでしょうか、ずいぶんお安くしてくれました。
お膳、料亭や旅館で出てくるお膳で記憶に残るものはありません。私のお膳の記憶の原点は祖父が使っていた箱膳です。畳に置きますから、足は高く造られていました。お膳も昔は日常で使うものだったのです。この箱膳を使うのは祖父と当時の家長の叔父の二人だけでした。ところが冠婚葬祭で人が集まる時にはお蔵から人数分のお膳が出てきます。不祝儀にも使いますから、色は黒でした。
お盆は好きで毎日使います。隅切りの折敷を欲しいと思ったこともありましたが、そんな格式だった食事は作りません。このお膳は低めの足がついているので、持ち運びが便利です。しばらくは毎日お膳でご飯にしようと思っています。お膳がしっくりと馴染むそんな季節になりました。お膳が日常にある生活、お膳に身が寄っていくように思います。