曇、22度、88%
アアルトというフィンランドの建築家がいます。アアルトが自分のために設計した「夏の家」の写真を持っていたはずだと探したのは10日ほど前のことでした。あいにく見つかりません。香港からの引越しの際整理した本に含まれていたのでしょう。仕方なく、「セイナッツァロ役場&夏の家」という本を買いました。
昨日は大型台風接近で朝から雨降りでした。万が一に備えて家中雨戸は閉めたまま、テレビでは不要不急の外出は避けてくださいと言っています。いつもならベットで本を読むのですが、寝室も雨戸が閉まっています。ひさしの深いデッキで優しい風の吹く中本を読み始めました。「セイナッツァロ役場&夏の家」を読み終えて、「そういえば建築家アアルトのことを知ったのは誰の本だったかと考えます。きっと建築家の中村好文さんに違いないと出してきた本、 「住宅巡礼」です。裏付けを見ると2000年刊行です。一通り読み直します。フィリップジョンソンの「ガラスの家」などを知ったのもこの本です。ところがこの本にはアアルトは載っていません。はてな?また本棚の前で私に初めてアアルトを教えてくれた本を探します。ありました。
堀井和子さんの「アァルトの椅子とジャムティー」この本です。刊行1900年。アァルトは建築家でもあり家具なども設計しています。20年以上前に読んだ本をゆっくりと読み直します。
台風接近なんて嘘みたいに、静かな雨と静かな風の一日です。中村好文さんの本を読みながら気になっていた三谷龍二さんの「僕のいるところ」を出してきました。 木工作家の三谷龍二さんの以前の家は中村好文さんの設計です。つらつらとおやつ時間まで本を読みました。中村さんの本と三谷さんの本に出てきたダスティンホフマンとミアファロー主演の「ジョンとメリー」の映画のシーンが急に気になりました。そこでおやつを食べながらYouTubeで「ジョンとメリー」を観ます。何度も観ているこの映画ですが、見る人によって目をつけるところが違います。ジョンの部屋の本棚の具合、ケメックス。映画の一コマ一コマを楽しみました。
夕方、台風は四国に抜けたのに軽く雨が降っています。ココさんと散歩に出て、今日一日の本は何でつながっていたのかと考えます。「人が住まう」その一言に尽きそうです。映画もそうですが本も読み直すと読み落としていた言葉や表現に出会います。読み手の私の年齢も変わってきています。静かな台風の日、デッキで本と過ごした穏やかな一日でした。