曇、22度、82%
秋風が立った頃より仏像の展覧会のお知らせを目にします。心静かに仏像を鑑賞するには秋は一番なのかもしれません。日本には鑑賞という言葉にふさわしい仏像がたくさんあると思います。インド、中国、タイ、日本の仏像を見てきました。韓国にも仏像はあるのでしょうが記憶にありません。
インドの仏像は濃厚なお顔が特徴です。目鼻立ちのはっきりした彫りの深いお顔です。目はしっかり見開いています。石像の仏像が多く見られました。こうした仏像ばかりを集めた博物館を訪れました。お寺で見る仏像とは見ている方の心持ちが違います。インドのお寺で見た仏像の印象がないのが不思議です。
香港で身近に毎日見ていた「文武廟」の仏様たち、こちらは思わずクスッと笑ってしまうほど、お顔が様々です。木彫で素人の手で作られたのかと思うほど少しとぼけたお顔の仏像です。中にはマレーシア人の仏像もあるのでお顔が黒く塗られています。中国で見た仏像は目を見開いたもの、半眼のもの、石像も金属でできたものも木像もありました。日本の道端のお地蔵様のように整わない仏像のお顔をたくさん見ました。
タイでも木造の仏像はあれっと思うような明るいお顔です。目はパッチリと見開いたようにお見受けします。金属でできたお寺の仏像は美しいお顔でした。キラキラと輝く仏像が数千体もあると聞きました。お墓を持たない民族が次の世に馳せる思いを感じます。
日本の仏像のお顔は整っています。すっと手を合わせたくなる仏像です。道祖神、お地蔵様と素人が作られた仏像ですら心がすっと入っていきます。私が日本人だからでしょう。たとえ半眼でなくとも日本の仏像は美しいと感じます。
見出し写真は主人がお土産で持ち帰ったインドの仏像です。この頭像は高さ15センチほどいつも我が家の中心に鎮座しています。髪型、ふっくらした唇、たっぷりと重そうな耳、切れ長の大きな目は開かれています。手を合わせることはありませんが、美しいと思う仏像です。