夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ビニー/信じる男』

2017年07月27日 | 映画(は行)
『ビニー/信じる男』(原題:Bleed for This)
監督:ベン・ヤンガー
出演:マイルズ・テラー,アーロン・エッカート,ケイティ・セイガル,
   キアラン・ハインズ,テッド・レヴィン他

今週初めからは気持ちも新たに、お金を払って映画を観ています。

当然、前日の土曜日はアルコールをしこたま飲んでます。
大阪ステーションシティシネマにて8:45上映開始。
ちょっと早いなぁ、しんどいなぁと思いつつ起きてGO。
レッドブルがないとヤバそうなぐらい眠かったのに、
めっちゃ面白くて1秒たりとも眠くならず。

交通事故に遭って生涯歩行困難になるかもと宣告されたのに、
数年後にみごと復活を成し遂げたボクサーの話。実話に基づく。

ロードアイランド州のボクサー、ビニー・パジェンサ、1962年生まれ。
1987年にライト級の王座を獲得した彼は、地元の人気者。
1988年にスーパーライト級に挑むも2階級制覇に失敗する。

マネージャーでプロモーターのデュバ親子から引退を勧告されたビニーは、
かつてマイク・タイソンのトレーナーをも務めたケビン・ルーニーを訪ねる。
飲んだくれだが非常に有能なケビンは、ビニーを見て2階級上げると決める。
これまでビニーを支えてきた父親アンジェロは、無謀すぎるとケビンを非難するが、
ケビンを信頼するビニーがトレーニングを重ねた結果、
1991年、無敗を誇っていたスーパーウェルター級の王者になんとTKO勝ち。

ビニーの勝利に沸きに沸く地元。
ケビンを信用せざるを得なくなったアンジェロ、信心深い母親ルイーズ、
姉ドリーンとその婚約者ジョンも大喜び。
ケビンはパジェンサ家に歓迎されて家族同然のつきあいに。

ところが、まだ王座獲得の興奮冷めやらぬ日、
友人が運転する車で出かけたビニーは、中央線を割って走ってきた対向車と正面衝突。
首の骨を折って再起不能を告げられる。

手術の方法の選択肢はほかにもあったのに、
ビニーは頭にボルトを入れてハローと呼ばれる器具を装着する手術を選択。
退院して自宅に帰ったビニーは、人知れずトレーニングを再開し、
家族にもその事実を明かせないままケビンに協力を求めるのだが……。

監督は『マネー・ゲーム』(2000)のベン・ヤンガー。
『セッション』(2016)が凄かったマイルズ・テラーがビニー役。
父親アンジェロ役にはキアラン・ハインズ
ハゲて腹の出た外見のケビン役にアーロン・エッカート
そしてマーティン・スコセッシが製作を担当しています。

『MERU/メルー』(2015)で大けがから復活した登山家にも驚きましたが、
まともに歩くことすら難しいだろうと言われた人が
ボクサーとして復活し、さらに階級を上げてスーパーミドル級で王座を獲得するとは。
やんちゃくれに見えて、ギャンブルは好きだけど酒は飲まず、
クスリも一度もやったことはないからと、ボルトを外すさいの手術にも麻酔なし。
驚異の精神力、不屈の闘志の持ち主です。

みんな何かにつけ「事はそう単純じゃないんだ」と言うけれど、事は意外に単純。
自分がどうしたいか、それさえわかっていれば、
意外に何でも前へ進むものなんじゃないか。そう思えました。

原題は“Bleed for This”、このために血を流す。

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