夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ボンジュール、アン』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の20本目@なんば)

2017年07月19日 | 映画(は行)
『ボンジュール、アン』(原題:Paris Can Wait)
監督:エレノア・コッポラ
出演:ダイアン・レイン,アルノー・ヴィアール,アレック・ボールドウィン他

前述の『ジョン・ウィック:チャプター2』の大半が男性客ならば、本作は女性客だらけ。
1カ月ほど前だったか、主演のダイアン・レインが来日、本作の宣伝をしていたそうな。
今年52歳の彼女は、たまに寄るデコの皺も美しい。
美しいんですけどね、う~ん、男性陣がなぁ。全然そそられない。

で、鑑賞後に知りました。
監督のエレノア・コッポラは、その名前からわかるとおり、
フランシス・フォード・コッポラの奥様なのですけれども、
本作の内容は自らの体験が基になっているのですって。ゲロゲロ~(笑)。

アンの夫は著名な映画プロデューサー、マイケル。
ブティックを経営しつつ一人娘を育ててきたが、娘も18歳に。
子育ては一段落、ブティックのほうも一区切り付ける。

マイケルに同行してアンはカンヌ国際映画祭へ。
ちょっとはバカンス気分を味わえると思っていたのに、夫の携帯は鳴りっぱなし。
パーティーに出ても、誰彼と途切れることなく夫に挨拶に来るから、
疎外感を味わわずにはいられない。まぁいいけどとあきらめ顔のアン。

映画祭後は今度こそ夫婦水入らず、パリまで行ってバカンスを楽しむはずが、
マイケルは急な仕事が入り、ブダペストを経由してパリへ飛ぶという。
耳の具合がよくないアンは、気圧の加減で飛行機はよくないだろうとパス。
夫婦別々にパリへ向かうことにする。

すると、マイケルの仕事仲間でフランス人のジャックが、
車でパリに戻るからアンを送っていくと言い出す。
男とふたり、車でというのは抵抗があるものの、夫がいいと言うのだし。
パリまではせいぜい7時間、同乗させてもらうことに。

ところがジャックの運転はいささか無謀。
しかもグルメなジャックはまっすぐパリへ向かおうとしない。
美味しい情報をキャッチしてはアンを店へと連れて行く。
1時間経たずに休憩を入れるものだから、パリが遠い。
ついにその日のうちには着かないとわかり、
レストランがピカイチだというホテルに宿泊することになるのだが……。

料理ワインを見るなら楽しい作品です。
が、夫役のアレック・ボールドウィンは固太りっぽいオッサンで、
襟もとから見える胸毛はセクシーを通り越してボーボー、
あの画面いっぱいに毛だらけのお尻が写し出された『恋するベーカリー』(2009)が思い出されておぞましい。
ジャック役のアルノー・ヴィアールもただのオッサン。
しかも漏れ聞こえる電話からは金に困っている様子も察せられ、
アンにクレジットカードを貸してくれなんて、言語道断でしょ。
最後に一応「きちんとした人」だとわかるシーンはあるけれど、
ここから何かロマンチックなものを感じ取れというのでしょうか。ムリッ。

道ばたのタンポポだったりクレソンだったりを抜いて食すジャックに、
『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(2015)の岩田くんを思い出しましたが、
岩田くんみたいに可愛くないもん。
「拾ってください」というのがイケメンじゃなくてただのオッサンだったら嫌だなぁ。

原題はいいでしょ、“Paris Can Wait”。
パリは逃げませんけどね、オッサンと過ごす時間が長くなるだけだってば。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする