夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『響―HIBIKI―』

2018年10月03日 | 映画(は行)
『響―HIBIKI―』
監督:月川翔
出演:平手友梨奈,北川景子,アヤカ・ウィルソン,高嶋政伸,柳楽優弥,北村有起哉,
   野間口徹,小松和重,黒田大輔,板垣瑞生,吉田栄作,小栗旬他

TOHOシネマズ二条で4本ハシゴをこれで〆。

あまり興味なかったんです。
主役の平手友梨奈は欅坂46でセンターを務める人気者らしいけど、私は全然知らないし。
巷でやけに高評価なのも本当かなと訝っていました。
シネコンで上映中の未見作品はもうこれぐらいしか残っていないけれども、
いっそ4回目の『カメラを止めるな!』にチャレンジするか!?
そうしたら、大阪・神戸・京都でカメ止めを観たことになるって、ちょっと嬉しい。
しかし、千日前の客よりも二条の客が笑うとも思えず、
悩みに悩んでから貯まったポイントを使って観ることに。
そうしたら、同じようなタイトルの『累―かさね―』よりずーっと良かった。

監督は月川翔。すんごい勢いで撮ってません?
『君の膵臓をたべたい』『となりの怪物くん』『センセイ君主』と立て続けに。
私は『君と100回目の恋』はまったく駄目でしたが、
ほかはどれもそこそこ以上に楽しめた気がします。

ある日、文芸誌『木蓮』の編集部に届けられた原稿。
それを読んだ編集者・花井ふみ(北川景子)は、天才の出現だと驚喜。
この原稿をなんとか形にして世に出したいと考えるが、
差出人の名前しか書かれていない封筒に連絡するすべがなく、困り果てる。

大人気作家・祖父江秋人(吉田栄作)の娘・凛夏(アヤカ・ウィルソン)の文壇デビューの話に、
祖父江家を訪れたふみは、そこに遊びに来ていた無礼な女子高生の名前を聞いてびっくり。
彼女こそふみが捜していた原稿の執筆者・鮎喰響(平手友梨奈)だった。

響の処女作『お伽の庭』はみごと『木蓮』の新人賞を受賞。
15歳の少女の作品が直木賞芥川賞にダブルノミネートされる自体に発展するが、
響の言動はとにかく型破り。
思ったままを口にして、怒りを見せるときには暴力さえも厭わない。
彼女の代わりに頭を下げつづけるふみだったが……。

喧嘩を売ってきた相手は誰であろうが殴り倒す。
「殺すぞ」と言ってきた不良(笠松将)の指を折り、
不遜な態度の新人作家(柳楽優弥)に飛びかかり、
ベテラン作家(北村有起哉)の顔面にも容赦なく蹴りを入れる。
ひどく暴力的なのですが、彼女の言い分は至極真っ当。

本作のいいところは、響に対して嫉妬や劣等感を持つ人びとが、
それでも彼女を欺いたりはしないこと。
響に言われたい放題、実は図星を指されて怒っていた人たちも、
自分の非を認める心を持っています。
だから観ていて嫌な気持ちになったりせず、痛快。
あ、高嶋政伸演じる編集長だけはすごく嫌な奴だった(笑)。

ぼろぼろの作家を演じた小栗くんを見ていると、作家も大変な仕事だなぁとしみじみ。
だけど、誰かひとりでもその小説を好きでいてくれる人がいたならば。
書き続けて。

最後に余談ですが、このタイトル、書くのに悩んだんです。
『響―HIBIKI―』か『響-HIBIKI-』か『響 -HIBIKI-』か。
馬鹿馬鹿しいと呆れられそうですが、こんなことも気になります
サイトによって表記の仕方もいろいろで、おそらく『響-HIBIKI-』が優勢。
公式サイトは『響 -HIBIKI-』なので、これを正しいとすべきでしょうが、
個人的好みから『響―HIBIKI―』を選択しました。すみません。
って、こんなん誰も気にしてへんやろっ!

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