夜な夜なシネマ

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『パパはわるものチャンピオン』

2018年10月05日 | 映画(は行)
『パパはわるものチャンピオン』
監督:藤村享平
出演:棚橋弘至,木村佳乃,寺田心,仲里依紗,淵上泰史,
   松本享恭,川添野愛,大泉洋,大谷亮平,寺脇康文他

TOHOシネマズ梅田にて、『若おかみは小学生!』の次に。
原作は絵本『パパのしごとはわるものです』と『パパはわるものチャンピオン』。
ヒール役のプロレスラーとそれを受け入れられない息子の話です。

プロレス、まったく知りません、わかりません。
本作を観に来る客で私のような者は珍しいらしい。
例のいびつなシアター5だから100名足らず、席数はそんなに多くない。
だけどおそらく私以外の全員がプロレスファン。
詳しくはあらすじの後に書きますが、めちゃめちゃ楽しい鑑賞時間でした。

大村孝志(棚橋弘至)はかつてプロレス界のトップに君臨したレスラー。
ところが膝を負傷して、エースの座を失ってしまう。
いずれ返り咲くことを夢見て悪役レスラー“ゴキブリマスク”になるが、
2年だけのつもりがもうじき10年、相変わらずゴキブリのマスクを外せない。

妻の詩織(木村佳乃)と相談して、一人息子の祥太(寺田心)にはその事実を伏せたまま。
しかし、同級生らから父親の職業を問われた祥太が繰り返し聞いてくる。
それでもごまかしていると、祥太はこっそり孝志のあとをつけるという行動に出る。

たどり着いたのはプロレスの試合会場。
何が何だかわからない祥太の前に現れたのは、祥太が恋する同級生の平野マナ(根本真陽)。
プロレスファンのマナは父親(淵上泰史)と観戦に来たらしい。
好きな女の子と一緒に初めて観るプロレスに祥太はワクワク。
マナが応援するレスラー“ドラゴンジョージ”(オカダ・カズチカ)は本当にカッコイイ。

何のためにここへ来たのかも忘れかけていたころ、祥太は気づいてしまう。
みんなの嫌われ者、ゴキブリマスクが孝志であることを。どうしてパパは悪者なのか。

翌日、学校で改めて父親の職業を聞かれた祥太が「プロレスラー」と答えたところ、
同級生たちが祥太のことをドラゴンジョージの息子だと勘違い。
マナからサインを求められ、本当のことを言えなくなる祥太だったが……。

なんか楽しいんです。劇場全体の雰囲気が。
現役のレスラーがドドーッと出演しているため、誰か出るたびに湧くのなんのって。
“スイートゴリラ丸山”というリングネームの人が出てきたときに、みんな爆笑。
私ひとりついていけていなくて、後から調べてみたら、これは真壁刀義というレスラー。
スイーツ好きなのだそう(笑)。なるほどなるほど。

泣かせる展開になるのは当たり前の話。
で、その段になると、周囲から嗚咽が聞こえてくる。
大のおとなの男が泣くのは恥ずかしいと思っているのか、
誰しもが必死で涙をこらえているから、座席が揺れるんですよ。
私もすぐに泣くほうだけど、それ以上に泣いている人がいると
泣きすぎやろと笑ってしまいます。それも楽しくて。
倒れても起き上がる、倒れても起き上がる。
そりゃこんな場面を見せられたら、プロレスファンは泣きますわね(笑)。

夫と子、両方を気遣い励まし見守る詩織役の木村佳乃がすごくよかった。
プロレス大好きな雑誌編集者ミチコに仲里依紗。サイコーです。めっちゃ笑った。
編集長役で特別出演しているのが大泉洋。これも可笑しすぎ。

劇場で観る醍醐味を味わえた作品としては『カメラを止めるな!』より上でした。
この回のお客さんが特によかったのかもしれませんけれど。
皆さん、ありがとうございます!(^o^)

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