夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『マイ・プレシャス・リスト』

2018年10月31日 | 映画(ま行)
『マイ・プレシャス・リスト』(原題:Carrie Pilby)
監督:スーザン・ジョンソン
出演:ベル・パウリー,ヴァネッサ・ベイアー,コリン・オドナヒュー,ウィリアム・モーズリー,
   ジェイソン・リッター,ガブリエル・バーン,ネイサン・レイン他

『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』の次に、
同じく大阪ステーションシティシネマにて。

予告編を観て面白そうだな~と思っていたのに、
封切り直後の数少ないレビューでは低評価。
スルーしようかどうか迷い、自分の目で確かめることに。
そうして正解、私は結構好きでした。

原題は主人公の女性の名前そのまんまの“Carrie Pilby”。
邦題は『死ぬまでにしたい10のこと』(2003)みたいで、ちょっと安直では。
だからってどんな邦題にすればよかったのかはわかりませんけれど。

ニューヨーク・マンハッタンで一人暮らしをする19歳のキャリー。
飛び級して14歳でハーバード大へ入学したIQ185の天才。
18歳で卒業したものの、コミュニケーション能力に乏しく、
ほぼずっと引きこもって読書する毎日。

そんなキャリーを心配し、父親が自分の友人であるセラピストのもとへ通わせている。
あるとき、セラピストから渡された「すべきこと」のリスト。
友だちをつくる、仕事に就く、ペットを飼う、誰かとデートする、などなど。
それらをひとつずつクリアするように言われ、キャリーはまずは金魚を2匹飼う。

父親のお節介な紹介で夜間に校正の仕事をするようになったキャリーは、
変人ばかりのその職場で、他人と言葉を交わすようになり……。

ひきこもりだというけれど、そうでもありません。
ひとりで出かけてカフェでお茶や食事を摂ることがしょっちゅう。
コミュ障というけれど、誰とも喋らないわけでもありません。
セラピストから知能が高いことをひけらかすなと言われているけれど、
彼女の態度からはそんなところもあまり感じない。
ただ、子どもなのに、年上の人ばかりの中に放り込まれてしまった女の子なのです。

夜更けの職場で出会った同僚たちは、そんなキャリーに興味を示し、
積極的に彼女とコミュニケーションを取ろうとします。
特別扱いもしなければからかったりもしない、ごく普通。
キャリーが少しずつ打ち解けていく様子が楽しい。

周囲には彼女のことを偏屈だと思っている人も多いけど、
彼女だってちゃんと恋をしたことがある。
傷ついた心を癒やせずにいた彼女の強い味方は父親。
頼りになる父ちゃん役で登場するのはガブリエル・バーン。よかった。

一般的に評価が低いのもわからなくはない。
これは女子が観て楽しい映画で、男子が観るとこのうえなく退屈かも。
ちょっと時間が空いたとき、女性にはお薦めします。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする