夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

2018年10月19日 | 映画(は行)
『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』(原題:Chalard Games Goeng)
監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン,チャーノン・サンティナトーンクン,
   イッサヤー・ホースワン,ティーラドン・スパパンピンヨー他

TOHOシネマズ梅田で前述の『あの頃、君を追いかけた』を観てから
シネ・リーブル梅田へ移動して本作を鑑賞。

年間を通じてタイ作品にお目にかかる機会はそうそうありません。
それが約1カ月の間に2本も観ることになるなんて。
しかも、当日早朝にオンライン予約したさいは空席がいっぱいあったのですが、
上映10分前にたどり着いたら「満席」のアナウンスが。
口コミで面白いと評判になっているようです。うん、面白かった。

女子高生リンは、教師である父親と二人暮らし。
勤勉実直な父親の稼ぎは少なく、慎ましやかだが穏やかな暮らし。
しかし、父親は成績優秀なリンをなんとか進学校に転入させたい。
ふたりで校長との面接に臨み、リンは特待奨学生の座を手に入れる。

転入したリンに最初に声をかけてきた同級生はグレース。
裕福な家庭に育つグレースの悩みは成績が悪いこと。
目標点を取ることができなければ、課外活動を禁じられるらしい。
グレースに泣きつかれたリンは、消しゴムを使って彼女を助ける。

それからしばらく後、グレースの彼氏パットの家に招かれたリン。
プールまである豪邸に驚きつつも平静を装っていると、
カンニングの件をグレースから聞いていたパットがビジネスを持ちかける。
どの生徒も経済的にはまったく不自由していないが、成績不良。
1人1教科につき3千バーツ(=約1万円)払うと言われ、乗ることに。
バレれば奨学金を貰えなくなってしまうから、消しゴムなどという方法は使えない。
ピアノを弾いているときにリンが思いついたのは完璧な方法。

こうしてビジネスを拡大させてゆくリンだったが、
あるとき1学年下にリンと同じく貧しい暮らしを送る男子バンクが転入してきて……。

日本でも金持ちと貧乏人の間にはものすごい差があるのでしょうけれど、
タイの金持ちはとんでもなく金持ち。と、タイに出張の多いダンナが言っております。
百貨店で車を買うとか普通ですもんね(笑)。
そんな貧富の差をありありと見せつけられるシーンに目が釘付け。

金持ちでいじめっ子という、よくありそうな構図がここにはありません。
リンは貧乏だけど、金持ちの中にいておどおどしたりしないし、悲観もしない。
自分のできることをよく知っていて、上手く金持ちとつきあいます。
金持ちで美人で無敵と思われるグレースはどうにも勉強ができない。
でも、お金でなんとかできることもわかっている。
双方の間に上下は感じられず、むしろリンのほうが上にいるのが小気味よい。
あ、これは貧乏人のひがみですね。(^^;

悪いことに決まっているカンニングもこう鮮やかなら痛快。
終盤のその方法は、カンニングですら金持ちじゃなければ無理だと苦笑い。
もちろん、カンニング万歳!とはなりません。
教育的にも良い作品かと。

リンの父親役の人、見たことあると思ったら、
先月観たばかりの『ポップ・アイ』で象を引いていたおじさん(つまり主役)でした。(^O^)

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