夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈な行〉

2018年12月28日 | 映画(な行)
《な》
『ナインイレヴン 運命を分けた日』(原題:9/11)
2017年のアメリカ作品。
ちょっと過去の人になってしまった感のある俳優たちの共演。
ウォール街の実力者で億万長者のジェフリー(チャーリー・シーン)と、
その妻イヴ(ジーナ・ガーション)は早朝から離婚調停の席へ。
ワールドトレードセンタービル、ノースタワーのエレベーターに乗り込むが、
飛行機がビルに突っ込んでエレベーターは緊急停止。
偶然乗り合わせたビルの保全技術者エディ(ルイス・ガスマン)は、
コントロール室にいるメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)に連絡を取り、
エレベーターのドアロックを解除しようとするのだが……。
結局は全員助かるのかと思ったら、ジェフリーだけは取り残されます。
実際こういう光景が多く見られたのかもしれません。

《に》
『ニューヨーク、愛を探して』(原題:Mothers and Daughters)
2016年のアメリカ作品。“未体験ゾーンの映画たち 2018”にて上映。
原題が示すとおり、複数の母娘の群像劇。
不倫相手から別れを告げられた直後に妊娠が発覚したり、
夢を追いつづける男と同棲中に子どもができたり、
母親だと思っていた人が実は祖母で、姉だと思っていた人が母親だと聞かされたり、
若気の至りで出産し、里子に出した娘から23年経って連絡が来たり。
登場人物はいずれも、予期せぬ妊娠をした女性とその母親。
コートニー・コックス、クリスティナ・リッチミラ・ソルヴィノなど、
かなり豪華なキャストですが、普通に公開されなかったのもわかる地味さ。
DVDで観るには良い作品だと思います。
私が本作を観ているときに、ダンナがセルマ・ブレアを指さして、
「これってミラ・ジョヴォヴィッチ?」と聞いてきたのが面白かった。全然ちゃうで。

《ぬ》
なし(泣)。

《ね》
『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』(原題:Neruda)
2016年のチリ/アルゼンチン/フランス/スペイン作品。
パブロ・ネルーダ。ノーベル文学賞を受賞した詩人で、
チリの国民的英雄でありながら、政治犯として追われる身となった彼の逃亡劇。
ネルーダを知らないうえに、詩的な演出にまったく乗れず、
ただただ観ているのが苦痛でした。
ネルーダを追う警官役にガエル・ガルシア・ベルナル
ちょっと見ないうちに、別に太っても痩せてもいないのに別人みたい。
このところ政治的な作品への出演が多いようですが、
私は彼の青春映画のほうが好きだなぁ。
というのか、政治的な映画は難しすぎてついていけない。
もっとアホにも興味が持てるような作品はないものでしょうか。

《の》
『ノクターナル・アニマルズ/夜の獣たち』(原題:Nocturnal Animals)
2016年のアメリカ作品。
『シングルマン』(2009)で映画監督デビューを果たし、
高い評価を受けた一流デザイナー、トム・フォードの監督2作目。
原作はオースティン・ライトのベストセラー小説『ミステリ原稿』。
劇場公開時のタイトルは『ノクターナル・アニマルズ』でしたが、
DVD化に当たって『夜の獣たち』というサブタイトルが追加されました。
アートディーラーとして成功を収めているスーザン(エイミー・アダムス)のもとへ、
大学院生時代に結婚していた元夫エドワード(ジェイク・ギレンホール)から
彼の著作『夜の獣たち(ノクターナル・アニマルズ)』が送られてくる。
スーザンへの献辞が書かれたその小説に困惑しながらも読み始めるのだが……。
小説の中で起きている出来事と現実の映像が巧妙に組み合わされ、
トム・フォードの非凡さを大いに感じます。
小説の中の刑事役で登場するマイケル・シャノンがまたしても快演。
この人、ほんとに面白い俳優だなぁ。
19歳のときに23歳上の女性監督と結婚して話題になりました。そんな彼も28歳に。
イケメンだけど、ニヤケ顔のものすごく悪い奴にしか見えない人になってます(笑)。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年観た映画50音順〈た行〉

2018年12月28日 | 映画(た行)
《た》
『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』(原題:Tanner Hall)
2009年のアメリカ作品を今ごろDVD化。
今夏開催の“カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018”にて上映。
ニューイングランド州にある全寮制の女学校タナーホール。
最終学年を迎えたフェルナンダは、親友たちと毎日を楽しく過ごしていたが、
幼なじみで今は疎遠となっていたヴィクトリアが転入してくる。
社交的で誰をも惹きつける力を持っているヴィクトリア。
しかし彼女の邪悪な面を知っているフェルナンダは警戒。
そんなフェルナンダは、母親の友人の夫ジオと偶然会ったのをきっかけに不倫関係に。
それを知ったヴィクトリアは、フェルナンダの邪魔をしようとする。
一方、フェルナンダの親友、ケイトはうぶな男性教師の気を引こうとしたり、
ルカスタは男性とのキスを拒む自分の性的志向を疑いはじめ……。
ヴィクトリアがめちゃくちゃ嫌な女なのです。見るのをやめたくなるぐらい(笑)。
幼い頃、祖母の可愛がっていたインコをヴィクトリアがわざと逃がしたのを目撃したフェルナンダは、
ヴィクトリアのことを見た目とはちがう意地悪な子だと思っていました。
そのとおり嫌な子なのですが、最後の最後が秀逸。
「インコを逃がしたら、そのすぐ後におばあちゃんが死んじゃった」と
ヴィクトリアがつぶやくのを聞いて、ずっと気にしていたことがわかるのです。
30過ぎても高校生役ができるルーニー・マーラ、すごいなと思ったけれど、
10年近く前の映画ですもんね、まだ20代前半か。納得。

《ち》
『ちょっとまて野球部!』
2017年の日本作品。
原作はゆくえ高那の同名コミック。監督は『孤独のグルメ』の宝来忠昭
強くも弱くもない県立神弦高校野球部の1年生、大堀、秋本、宮田。
3年生部員の最後の夏が終わり、これで広々と部室を使えると思いきや、
2年生部員から「1年生が使えるのはここだけな」と使用範囲を制限される。
とはいうものの、部活が楽しくて仕方ない3人だったが、揃いもそろっておバカ。
特に大堀にいたっては、追試まで赤点を取ってしまい、
もしも再追試で合格点を取れなければ、夏の合宿に参加できないことに。
大堀に試験勉強に集中させるため、秋本と宮田は大堀を無視するのだが……。
野球のシーンはほとんどなく、おバカぶりを見せられるだけの作品。
でもなかなかに楽しくて、後味も悪くない。バカやってられるのっていいなぁ。

《つ》
『月と雷』
2016年の日本作品。
角田光代の同名小説の映画化。
普通の家庭を知らずに育った泰子(初音映莉子)。母親は彼女が幼いころに出て行った。
当時、父親(村上淳)の浮気相手・直子(草刈民代)とその息子・智が転がり込んできたが、
直子と智は半年ほどで出て行ってしまったという思い出がある。
ところが、そんなふうに20年前に突然来ては去って行った智(高良健吾)がまた突然現れて泰子は動揺。
智の勧めで実母を捜すために公開番組に出演したところ、
実母は再婚していたうえに異父妹・亜里砂(藤井武美)の存在も判明。
そうこうしているうちに、智のみならず直子と亜里砂までが泰子のもとへ。
不可思議な同居生活が始まり……。
男を渡り歩く草刈民代の演技に脱帽。彼女だけでも見る価値あり。

《て》
『天使たちのビッチ・ナイト』(原題:The Little Hours)
2017年のカナダ/アメリカ作品。
家庭の事情により、修道院に預けられた3人の女性。
いずれも処女、性に関する興味は膨らむばかり。
しかし雑用係のオッサンが話しかけてくるのは許しがたく、神父にクビにしてもらう。
オッサンに代わってやってきた雑用係は若いイケメン。
実は彼は近所の領主の使用人だったが、領主の妻と寝たのがばれ、
領主に追われて命からがら逃げてきたところ、神父とバッタリ。
酔っぱらって困ったことになっていた神父を助けたため、
神父が詳しい事情は聞かずに彼を受け入れたのだ。
神父は「修道女たちは男から話しかけられるのを嫌うから」と、彼に聾唖のふりをしろと言う。
それに従って雑用の仕事に従事したものの、修道女たちから次々と迫られ……。
神父役にジョン・C・ライリーが出ていますから、B級というわけではありません。
こうしてあらすじだけだとエロそうですが、脱ぐシーンもほぼないただのコメディ。
だけど、最初はまったく笑えなくて、挫折しそうになりました。
途中から観るに耐える程度にはなり、最後は爽快感すらあるんだから不思議(笑)。

《と》
『トーナメント』(原題:Midnighters)
2016年のアメリカ作品。
7月に全国のミニシアター系劇場で公開され、9月にはDVDレンタル開始。
新年のカウントダウンパーティーに出席した30代とおぼしき夫婦。
共に酒を飲んでいたが車で帰途に就く。運転席に夫ジェフ、助手席に妻リンジー。
暗闇の中、飛び出してきた男を轢いてしまい、救急車を呼ぼうとするが携帯が圏外。
自分たちの車に載せて運んでいたところ、車中で男が息を引き取る。
死んだのをこれ幸いと事故の隠蔽を図るが、ナンバープレートを現場に落としたことに気づく。
自宅ガレージに死体を隠し終わった頃、警官がプレートを届けにやってくる。
鹿を轢いたという嘘を信じた警官が帰り、事なきを得たはずが、
死んだ男のポケットを探ると、なぜかこの家の住所を書いたメモが。
夫婦の家に居候中のリンジーの妹ハンナに問うと、身に覚えがあるようで……。
上記3人ともう1人、ハンナの恋人が生き残りをかけて殺し合います。
そういう意味ではトーナメント戦なのかもしれないけれど、
原題も邦題も、ポスターやDVDジャケットの画像も、
そのどれも内容とは合っておらず、売り方に苦心した様子が窺えます。
ちなみに生き残るのは当然のことながら主人公のリンジー。
しかしハッピーエンドとは程遠く、ものすごく嫌な終わり方。誰にも共感できず。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする