夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『THE GUILTY/ギルティ』

2019年03月04日 | 映画(さ行)
『THE GUILTY/ギルティ』(原題:Den Skyldige)
監督:グスタフ・モーラー
出演:ヤコブ・セーダーグレン他
声の出演:イェシカ・ディナウエ,ヨハン・オルセン,オマール・シャガウィー,
     カティンカ・エヴァース=ヤーンセン他

なんばパークスシネマで5本ハシゴの3本目。

まったくノーマークだったデンマーク作品。
同劇場の上映スケジュールを調べているときに知り、あらすじを読んだら超好みっぽい。
本作鑑賞の優先度が『ボ・ラプ』の次に上昇し、速攻で予約しました。
当日の朝、残席わずか。12:40からの上映でしたが、12時前には満席に。
監督も俳優も日本での知名度ゼロに等しく、低予算の作品なのに満席って、
こういうときにはやっぱり難波って凄いなと思ってしまう。
マニアが集う街とでも言えばいいでしょうか。

監督が知名度ゼロなのは当たり前、これが長編デビュー作。
主演のヤコブ・セーダーグレンは『光のほうへ』(2010)で見ています。
けど、覚えられないでしょう、こんな名前(笑)。

捜査中にトラブルを起こし、謹慎の意味で現場を外された警察官アスガー。
緊急通報司令室勤務となり、オペレーターを務めている。
翌日の裁判でお咎めなしとなるはずだから、職場復帰まであと少しの辛抱。

かかってくる電話は、酔っぱらいが転んだり、風俗街でひったくられたりと、
いずれも自業自得だと言いたくなるような案件ばかり。
適当に相手をしていたところ、誘拐事件とおぼしき1本の電話が。

電話の相手はイーベンと名乗る女性で、走行中の車の中にいるらしい。
誰かに拉致され、家族に電話をかけているふりをして通報を試みた様子。
緊急通報司令室にかけたことが犯人にわかれば、イーベンの命が危ない。
アスガーは少ない情報を頼りに犯人の特定とイーベンの救出に挑むのだが……。

スクリーンに映し出されるのは緊急通報司令室のみ。
同僚たち何人かの姿は映るし、彼らとの会話も少しはありますが、
それ以外の場面はいっさい無し。

『セルラー』(2004)は監禁された女性がたまたま繋がった携帯の主に助けを求める作品でした。
状況としてはそれと非常に似ていますが、『セルラー』は電話の女性がキム・ベイシンガー
繋がった携帯の相手がクリス・エヴァンス、犯人がジェイソン・ステイサムですからね。
3人とも映さないわけにはいきません(笑)。

アスガー以外スクリーンに映らない状況のなか、
声だけで舌を巻く演技を見せる(聞かせる?)のがイーベンの幼い娘マチルド役の
カティンカ・エヴァース=ヤーンセン。
どんな子なのか知りませんが、この名前は覚えておきたい。凄い。

謹慎中のアスガーには犯人を特定する職務も権利もない。
けれど警察官としての性なのか、突き止めずにはいられません。
事件の真相に愕然とし(ちょっとはそれも疑いましたけど)、
それと共に明らかにされるアスガーが起こしたトラブル。
この事件のおかげでアスガーは人間性を取り戻します。

思い込みは恐ろしい。
サスペンス劇を堪能。北欧作品、面白くってたまらん。

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