夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』

2019年03月18日 | 映画(は行)
『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(原題:Bajrangi Bhaijaan)
監督:カビール・カーン
出演:サルマーン・カーン,ハルシャーリー・マルホートラ,カリーナ・カプール,
   ナワーズッディーン・シッディーキー,シャーラト・サクセーナ他

前述の『運び屋』の後、本作より前に観た作品が5本あるのですけれど、
一緒に鑑賞した姉御の「早くUPしてほしい」という要望に従い、こちらを先にUPします。

姉御とは年に数回、映画&晩ごはんをご一緒する仲です。
もともとは先週の14日、TOHOシネマズデーに合わせて休みを取り、
姉御も私も2回目となる『グリーンブック』か、姉御は1回目の『運び屋』を観る予定でした。
そんな相談をしているときに知ってしまったのです、
16日に塚口サンサン劇場で『ボヘミアン・ラプソディ』の特別音響応援上映があることを。
塚口の応援上映が素晴らしいのは評判に聞いていますから是が非でも行ってみたい。
ほなら14日を16日に変更しましょうということになりました。

塚口のオンライン予約は4日前、午前0時になると同時にスタート。
早く寝たいところ、11日の夜中に酒を飲みながら12日になる瞬間を待ちました。
で、午前0時、無事にアクセスを果たしたのに、なんすかこれ。
まだ予約開始になって1分しか経っていないのに、155席のほとんどが埋まっている。
残席10もなかったと思います。
それでも2席、ポチポチッと押してウヒヒと笑ったら、次画面に「席が確保できませんでした」の文字。
えーっ。やり直さなあかんのと思ったときには満席でした。

私、そんなに操作は遅くないほうだと思います。
購入規約に同意するかとか、会員かどうかとか、チェックを入れなあかんのは皆一緒のはず。
なのにこんなに早く埋まるってどーゆーこと!?
劇場のスタッフがわざわざ休みを取って普通にチケットを購入して参加しているようですし、
常連さんもすごく多い様子。何か裏技があるのかもしれんと訝り、悔しさいっぱい。
このために起きていたのにと泣きながら(泣いてへんけど(笑))、さらに酒をかっ喰らって寝ましたがな。

14日から16日に変更した意味がないよねと思いながら、
代わりに何を観に行きましょうかと再び姉御と相談。
姉御は劇場で年間10本から15本、しかもハリウッド映画しか観たくないという人。
あ、『ボ・ラプ』は3回ご覧になっていますが(笑)。
一緒に観る映画のチョイスは私に任されています。
『グリーンブック』は姉御も私も気に入りましたから、もう1回観てもよいとは思いました。
でも、私がどうしても観たいこの『バジュランギおじさん』がちょうどよい時間に同じ塚口でかかる。
インド映画という選択はないですか」と尋ねたら、姉御から「ない!」という速攻の返事。
「せめてあらすじだけでも読んでみてもらえませんか」とお願い。
そうしたら「これでもええよ」と言うてくれはって。たぶん渋々だったとは思うけど。

こうして姉御は人生初のインド映画、160分という長尺作品につきあわされる運命に(笑)。
結果、ふたりとも鼻ずびずびのボロ泣き。姉御、大大大満足。
ここ5年くらいで姉御がいちばん好きだったのは『ドリーム』(2016)。
その上を行く良さだったようです。ボリウッド、やっぱり最高だわ。

パキスタンの小さな村に暮らす6歳の少女シャヒーダーは、生まれつき口がきけない
聖廟で祈りを捧げれば願いが何でも叶うらしい。シャヒーダーも話せるようになるのでは。
母親はシャヒーダーを連れてインドとの国境付近の聖廟を訪れる。

その帰り道、母親が眠った隙にひょいと列車から降りたシャヒーダー。
自分が可愛がっているのと同じようなヤギが穴に落ちて動けなくなっているのを見たからだ。
ヤギを無事に引き上げたのはよかったが、列車が出てゆくではないか。
声を出せないシャヒーダーは叫ぶこともできず、ただ涙を流して列車が去るのを見送るだけ。
娘がいないことに気づいた母親は半狂乱になるが、列車は止まってはくれない。

次に通りかかった列車に飛び乗ったシャヒーダーはインドに紛れ込んでしまう。
途方に暮れる彼女に気づいたのは、敬虔なヒンドゥー教徒である青年パワン。
警察では預かれないと言われ、とりあえず居候先に連れ帰る。

パワンがいきなり少女を連れ帰ってきたことにみんな驚くが、放り出すことなどできない。
名前もわからない彼女を「ムンニ(=お嬢ちゃん)」と呼ぶことにして可愛がる。
ところが、インド人だと信じきっていたムンニがふとしたことからパキスタン人だと判明。
異教徒を家に置いておくことは断固としてできないと家長が言い出す。

パキスタン大使館に連れて行くも追い返され、闇のルートを使おうとしても無理。
こうなればパワン自身がムンニを家まで送り届けるしかない。
こうしてパスポートもビザもないまま、インドからパキスタンへ700キロの旅が始まるのだが……。

めちゃめちゃ良かった。

とにかくシャヒーダー役のハルシャーリー・マルホートラが可愛い。可愛すぎる。
反則でしょというぐらいの愛らしさで、この笑顔と仕草に心を打たれない人は人間じゃないと思います(笑)。
そして主演のサルマーン・カーンが、負けず劣らずカワイイおじさん。
ついでに、途中から旅に同行することになる記者役のチャンド・ナワーブがワラかしてくれます。

想定できることしか起こらないといえば起こらない。でも、良いんだなぁ。
もちろんボリウッドのことだから、歌と踊りもあり。これもちょうどいい具合。

宗教的にも政治的にも激しく対立する両国だけど、国民が争いを望んでいるわけじゃない。
たとえ信仰が異なっても、信仰心を持つ気持ちは同じ。
宗教の違いがどうだこうだと言っている場合ではないのだと、
パワンを助けに集う姿は私のものすごく弱いパターン。そら泣く(笑)。

ボロボロに泣いて、ものすごく幸せな気持ちに包まれて地下2階のシアター2を出ました。
1階のトイレに行こうとシアター4の隣を通ったら、ちょうど『ボ・ラプ』の応援上映が終わる頃で、
中から“The Show Must Go On”を大合唱している声が聞こえてきました。
だけど、全然羨ましくも悔しくもなくて、そのチケットを取れなかったおかげで
私は別のこんなにも良い作品を観られたのだということに感謝しました。

名古屋では月末に本作の爆音上映があるらしい。
ものすごく行きたいけれど、その頃はダンナ出張中じゃないから無理だ。(^^;

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