『焼け跡クロニクル』
監督:原將人
アップリンク京都にて、3本目に観たのは本作。
ドキュメンタリーばかり続けて観るつもりはなかったけれど、
ハシゴするにはこれを観るしかありません。
原將人監督は東京のご出身ですが、京都にお住まい。
上京区のご自宅が2018年に火事で全焼しました。
本作中では出火の原因が不明のままとなっていましたが、
大正時代の古い建築で、漏電が起きたようですね。
何もかも煤と化してしまったものの、妻のまおりさん、長男の鼓卯くん、
まだ幼い双子の娘であるまみやちゃんとかりんちゃんは無事。
PCを取りに火の中に戻った原監督は上半身と顔に火傷を負ったもののなんとか快復。
近くの公民館の一室を借りることができ、そこに数日間寝泊まり。
不謹慎にも笑ってしまったのが、騒然とする火災現場での双子の娘たちの言葉。
幼いのに心配なのはお金のことで、「お金、あるよね?」。
そして「だけどね、私おなかがぺこぺこなの」。
どういうときでもおなかは減るもんですよねぇ。
長男と双子ちゃんはえらく歳が離れているなと思ったら、
間に妊娠7カ月で流産してしまった次男がいたとのこと。
焼け落ちてしまった自宅は危険だから近寄らないようにと注意されていたにもかかわらず、
原監督は後日何か拾えるものはないかと見に行きます。
するとまっさきに拾ったものが次男のお骨だったと。
家族全員の命があれば、こうしてなんとか立ち直れる。それに次男も一緒にいる。
完成した映画が、力となり支えとなってくれた人々への御礼。
あと、やっぱりいろいろ保険は掛けておかにゃあ駄目だなぁとシビアに思う。