『ジャスト・ア・メリークリスマス』(原題:Sa Var Det Jul Igjen)
監督:ペッテル・ホルムセン
出演:イーダ・ウルシン=ホルム,カナン・ギル,マリット・アデライド・アンドレアセン,
ヴェスレモイ・モークリッド,マッツ・ショーゴード・ペテルセン他
クリスマス前になると、いったい世界でどんだけクリスマス向けラブコメを撮っとるねんと思います。
Netflixに上がるそれらを制覇したい気持ちに駆られるものの、とてもそんな時間はつくれない。
だけど何本かはやっぱり観たいじゃないですか。
本作も12月に入ってから配信が開始になりました。ノルウェー作品です。
なんとこれ、実話が基なのだそうで。
もうじきクリスマスという日、ジャシャンがテアにプロポーズ。幸せすぎるふたり。
しかし、テアには気がかりなことがあった。
伝統的なクリスマスしか受け入れないと思われる実家の母親アンネリーセは、
娘の婚約者がインド人と知ればどうするだろうか。前もってジャシャンのことを知らせる勇気はない。
恋人を連れて行くということだけを知らせて故郷ノルウェーへと向かうテアとジャシャン。
案の定、ジャシャンを見るなりひきつった笑顔を見せるアンネリーセ。
ジャシャンはといえばさほど気にする風でもなく、いきなり「ママ」と呼ばれてアンネリーセは困惑顔。
やがてテアの兄シィーメンとその妻ヒルデグン、娘のロニヤが到着。
彼らもジャシャンを見て驚いたものの、そこはまぁまぁ大人。
アンネリーセに気を遣っていつもしんどそうなヒルデグンにいたってはむしろ歓迎している様子。
なんとかテアの実家で気に入られたいジャシャンだったが、やることなすこと裏目に出る。
しかも向かいの家に暮らすヨルゲンがテアと5年もつきあっていた元カレだったと知り……。
差別主義者とは言わないまでも、アンネリーセはかなり嫌な感じです。
でも普通は驚きますかね、ノルウェー人の娘がインド人を連れて帰ってきたら。
ノルウェーとインドでは何もかも違いすぎる。
ただでさえ違うのに、テアの実家では伝統を重んじるからもっと大変。
ジャシャンの味方でいなければいけないはずのテアは、ついついジャシャンに無理を強いてしまいます。
一方のジャシャンは陽気なイイ奴とはいえ、少々無神経に過ぎるところがある。
「クリスチャンでもないのにクリスマスというだけで教会に集うのはなぜだ」と尋ねたり、
調子っぱずれのうえに大きすぎる声で賛美歌を歌ったり。
くしゃみをしすぎて教会の外に追い出されると、そこからインドの母親に電話して、
これまた教会内にも聞こえるほどの大きな声で「変な文化だよ」みたいなことを話す。
あんまりいい話じゃない気もするのですけれど、テンポが良いおかげでわりと笑えます。
評価はあまり高くなくても、私は嫌いじゃないな~。
ずっと嫌なオバハンぶりを発揮しつづけるだけに最後のアンネリーセはサイコー。
クリスマスだというのにアルコールを摂取しない理由はそういうことか!