『どん底作家の人生に幸あれ!』(原題:The Personal History of David Copperfield)
監督:アーマンド・イアヌッチ
出演:デヴ・パテル,アナイリン・バーナード,ピーター・キャパルディ,ロザリンド・エリーザー,
ヒュー・ローリー,ティルダ・スウィントン,ベン・ウィショー,ベネディクト・ウォン他
第七藝術劇場で2本観たあと、車を十三に置いたまま梅田へ。
動かなくなった腕時計を2個携えて時計屋へ立ち寄り、
電池交換をお願いしたら、15分ぐらいかかるとのこと。
映画の上映開始時間が5分後に迫っていたため、
後ほど取りに来ますと伝えて大阪ステーションシティシネマへ走る。
原題に出てくる名前“David Copperfield”、デイヴィッド・コパフィールドは、
英国の文豪チャールズ・ディケンズの半自伝的小説のタイトル。
その『デイヴィッド・コパフィールド』をアーマンド・イアヌッチ監督が映画化。
主演は「男の子」というにはちょっと歳取り過ぎの感あるかも(笑)、デヴ・パテル。
『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)のときは確かに少年だったけど、
あれからもう13年も経っているのですから。彼ももう30歳。
少年デイヴィッド・コパフィールドは、この世に生まれる前に父親を亡くしていたものの、
貴族で美しく優しい母親クララと献身的な家政婦ペゴティに囲まれ、幸せに暮らしていた。
ところが、母親が暴力的な男性と再婚して人生が一変。
従順な態度を取らないデイヴィッドは、都会の工場へと売り飛ばされてしまう。
里親となったのは、善人ながら借金まみれのミコーバー一家。
工場では耐えがたい強制労働を強いられたが、なんとか生き抜くデイヴィッド。
しかし、ミコーバーが全財産を取り上げられたうえに投獄される。
それと前後して母親が病死したことを継父から知らされたデイヴィッドは居場所を失う。
工場から脱出したデイヴィッドは、唯一の身内である大伯母ベッツィを訪ね、
これまでの状況を伝えて身を寄せさせてもらうことに。
裕福なベッツィのおかげで上流階級の名門校に通いはじめたデイヴィッドだったが……。
ベッツィ役のティルダ・スウィントンが強烈。
彼女の弟がデイヴィッドの父親で、弟の他界後に産気づいたクララのもとを訪れ、
「生まれてくる子は絶対に女の子だ」と言い張り、
悪い虫がつかないように育てる気満々でした。
なのに生まれてきたのが男の子デイヴィッドだったから、
興味を失ったかのようにそのまま疎遠に。
ティルダ演じる役柄の女性がこれっきりで終わりなんてあり得ないと思っていたら、
やはり途中で再登場。素晴らしい女優です。
人生つらいこともあるけれど、生きていればいいことに巡り逢える。
登場人物全員にクセがあり、観ている者を飽きさせません。
主人公を含め、人を見下したり嘲ったりする態度を取る様子に
ちょっと嫌な気がすることもあったけど、人の振り見て我が振り直せ、ですね。
170年以上も前に書かれた原作を読みたいです。