雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ゆず湯

2017-12-22 18:52:41 | 日々これ好日
        『 ゆず湯 』

     今日は冬至 ゆず湯に入る
     ほのかな香りが 過ぎし日々を 思い起こさせる
     残り少ない日数と 時の流れの速さを思う
     まあ、明日からは 昼の時間が少しずつ増えるので
     しっかり働ける かも知れない

                    ☆☆☆
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少々悪趣味でしょうか?

2017-12-22 08:23:44 | 麗しの枕草子物語
          麗しの枕草子物語  
               少々悪趣味でしょうか?


内裏の局に、それなりの御方が忍んで来られますと、隣の私の方が気を使ってしまいます。
私の方の灯は消して息をひそめているのですが、脇の方からの光が、高い辺りから透けていくものですから、微かに内部の様子がぼんやりと見えてしまいます。
二人は、低い几帳を引き寄せて、昼間はそうそう顔を合わすこともない人なので、几帳の陰に添い臥して、寄せ合った頭の、髪形の乱れなどは隠しようもありません。

直衣や指貫などを、几帳に打ち掛けています。
六位の蔵人の青色の袍なれば、まあまあ許しましょう。しかし、緑衫(ロウサウ・並の六位の位袍)を恥ずかしげもなく打ち掛けたりしている時には、腹立たしく、足もとの方に丸めこんで、明け方にも探し出せないようにして、帰ろうとする男を困らせてやろうと思いますわ。
明け方になって、女が一人になり、脱いだ着物を几帳の片側にひっかけて、まだ眠っている女の顔を、部屋の奥の方から覗き見るのも、とても面白いものですよ。
少々、悪趣味でしょうか?


(第百八十九段・心にくきもの、より)
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