雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

内容はともかく

2019-12-24 20:03:28 | 日々これ好日

        『 内容はともかく 』

     
日韓首脳会談 一年三か月ぶりの開催
     隣国どうしが これほど長い期間 首脳会談が開かれないのは
     やはり 異常すぎる
     言いたいことは山ほどあるが 
     言い分があるのは 相手国も同じだろう
     まあ 今回は 内容はともかく
     開催されたことだけで 良いんじゃないですか

                   ☆☆☆

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六位の蔵人

2019-12-24 08:16:38 | 麗しの枕草子物語

     麗しの枕草子物語  
           六位の蔵人
 

六位の蔵人と申しますのは、それはすばらしいものでございますよ。
決して身分は高くないのですが、何といっても主上のお側近くにお仕えするものですから、尊いお家柄の貴公子でさえお召になれない綾織物を平気で着ていて、その青色の袍姿は実にすばらしいものでございます。

もとはといえば、雑務を務める者や地下人の子供などで、身分高き方々の侍所に勤めている四位や五位程度の者の下に使われていて、ほとんど相手にもされない存在であったのでしょうに、いったん蔵人に任用されようものなら、その変わりようは驚くばかりでございます。
天皇の勅使となって、以前勤めていたお邸に宣旨を持参した時などは、お邸の主である大臣自らが、ありがたがってもてなしをされるご様子は、天人でも天下ってきたのかと思われるほどなのです。
かつては、土下座していた一門の方や若君に対しても、少しばかりは遠慮をしているような格好はしていますが、同じように肩を並べているのですから。
それもこれも、六位の蔵人としてのすばらしい青色の袍を着ていればこそなのです。

主上の側近くで、妬ましくなるほど恵まれたお仕事なので、三、四年で五位に上がるのを、昔の人はその時期が近付くのを嘆き悲しんだものですが、最近の人といえば、もっと実入りの良い地方官を望み、臨時の昇進を申請しているというのです。
まったく、情けない世情ですわねぇ。


(第八十三段 めでたきもの、より)

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