『 荒れ気味のお天気 』
当地の今日のお天気は
晴れたり曇ったり時々小雨
風も強く やや寒い一日だった
北海道は 新型コロナウイルス対応の中
猛吹雪の 大荒れの天候で 今夜もなお続くとか
くれぐれもご注意してください
天候も 新型コロナウイルスも 経済面も
厳しい状況が続いているが
今日は啓蟄(ケイチツ)
本格的な春は そこまで来ているはずだ
☆☆☆
麗しの枕草子物語
華やかな日々
中宮さまが、職の御曹司におはします頃、それはそれはすばらしい日々でございました。
建物全体は古色を帯びていて、なかなか趣深いものでした。
ただ、鬼が棲んでいるとのことなので母屋は締め切り、南側に建て増しをして中宮さまの御座所とし、その廂に私たち女房の局も頂戴しておりました。
陽明門から左衛門の陣へと、上級貴族である上達部(カンダチメ)や殿上人たちが次々と中宮職の前を通って参内されるのです。
上達部がお通りになる時は、先駆けの「オーシ」という声は高く長く、殿上人の場合は先駆けの声は、低く短くなります。
私たち女房は、いつもその声を聞いているものですから、その声を聞き分けて、あれは誰々だ、いや違うなどと話し合い、時には確認に行ったりして楽しんだものです。
有明の月の頃、霧が立ち込めている庭に私たちが降りて歩き回るのを中宮さまもお耳にされて、お姿をお見せになる。そばにお仕えされている女房たちも縁先に座り、賑やかに遊んでいるうちに霧も薄れ空も白んできます。
「左衛門の陣へ行ってみましょう」
と私たち数人が出掛けると、私も私もと人数が増えていきました。
すると、私たちが向かう方向から、
「・・・一声の秋・・・」などと吟じながら殿上人が多勢やってくるので、私たちは大慌てで逃げて帰りました。
夜と言わず昼と言わず、職の御曹司に殿上人の姿が絶えることがありません。上達部の方々も、参内の途中に必ずこちらにお寄りになられます。
いつも人声は絶えることはなく、まことに華やかな毎日でございました。
(第七十三段 職の御曹司に・・、より)