マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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破綻の跡

2010年07月04日 07時38分19秒 | 葛城市へ
タナバタサンのその後が気にかかり太田へ行った。

畑にはだれもいない。

3年前は耕していた人がいた。

その人にタナバタサンのことを聞いたが名前を聞いていなかった。

代表者を訪ねて地区に下りていったところ不思議な景観が現れた。

田んぼに壁が現れた。

建物の廃墟跡だろうか。

赤煉瓦でできた一枚岩のような壁は凡そ100mの長さ。

探し出した代表者のNさんの話によると貸し金業で栄華を極めた地区のニシカワジンベエと称する金持ちが作ったという。

3代目の時代、戦争前に破綻して畑地に転化した。

当時は大きな蔵などがあった。

煉瓦の壁を撤去するには費用がかかるということでこれだけが残ったという。

肝心要のタナバタサンの状況はといえば。



歳いった者が引退し、若い人が加入して6人で保存会を維持しているそうだ。

宮司を迎えるには神事の費用がかかるので会員だけでお参りしている。

市の財政が厳しくなったから花火大会も昨年で終わったという。

その煽りもありタナバタサンも補助がなくなったそうだ。

七夕の笹は近くの小学校で生徒が作ったもの。

それが相撲会館に持ち込まれる。

しばらく飾られたあと前日に市役所が棚機神社に移動してくれるそうだ。

相変わらずひっそりとしているが村の行事は続けていきたいと仰るが、Nさんも84歳。

将来は自然消滅しているかもしれんと話された。

太田川は太田と兵庫の境目を流れる。

棚機神社はその昔、さらに奥にあったそうだ。

山が崩れてこの地に下りてきた。

古墳ともいう人がいるが私らは塚というてると話された。

(H22. 5.14 SB932SH撮影)