マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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井戸野常福寺涅槃会

2011年04月05日 08時17分20秒 | 大和郡山市へ
ミゾレまじりの雪が降る。

井戸野の町にもそれは降っていた。

年に一度の涅槃会が常福寺で営まれる。

檀家総代らに40人ほどのご婦人たち。

檀家や婦人会のみなさんだ。

先月末に新装張替された涅槃の掛け図を前にして手を合わせる。

念仏講中寛延三年(1750年)と記された古い掛け軸棒を横に立てられた。

郡山の表具師が製作されたと記されている。

掛け図の裏には干時文政十一年(1828年)の年号がある。

どういういきさつがあったのか、記録は残っていないが掛け図はおよそ80年後には常福寺の什物になった。

それから183年後の今日の掛け図はお釈迦さんの朱色に染まる衣が美しく映える。

灯りを点して始まった涅槃の会式。

堂内は信心する人たちとともに最後の説法である遺教経(ゆいきょうぎょう)を読誦する。

お釈迦さんが80歳で亡くなるまでの45年間は仏道布教の伝道の旅。守るべき戒めを説いた。

その教えは入滅後の2600年も続くと話す住職。

お釈迦さまの威徳を讃えてありがたいご慈悲になーむあみだぶつと唱えた。



当日は併せて先祖回向(供養)もされた。

釈迦涅槃図修複記念にCDを制作された常福寺。

ナレーション「慈悲の光につつまれて」は同寺の住職の奥さま。

同町に住むH氏が作曲された「法然上人御歌」などが収録されている。

法要を終えたあとは檀家の総会。

その後も降り続けた雪で町内全域が真白なご慈悲に包まれた。

(H23. 2.14 EOS40D撮影)