マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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中誓多林の行事

2011年04月21日 07時50分42秒 | 奈良市(東部)へ
木を伐採するにはチェーンソーが要る。

根っこの部分を切るのだが倒す方向を間違えばとんでもないことが起きる。

それを避けるには方向付けをしなくてはならない。

方向を決める道具がロープの先に取り付けた棒だ。

目標となる枝に向けて棒を放り投げる。

するとロープがするすると飛んでいく。

棒は枝に絡まって停止する。

一方のロープは輪っかになっている。

そこに端を入れてたぐり寄せる。

力いっぱい引っ張れば棒は枝に食い込んだ。

そのまま人間の力で絶えるには危険だ。

それだから端は木の幹に括り付ける。

近くの幹にも通して枝が目指す方向に来るようにする。

チェーンソーは幹を切断したら引っ張る。

張った緊張は解けて尻餅をついた。

そんな作業をしてきた誓多林の人たち。

村では年中行事が行われている。

若いもんがいうには「いっぱい飲んでぐだぐだしているだけや。行事なんかやめたほうが・・・」の声が高くなり徐々に消えていった村の行事。

当時はトヤ制度もあったそうだ。

上誓多林は宮さんを中誓多林に合祀したのでジュウクヤサンだけになった。

昭和40年代後半のころだそうだ。

それからは上と中の合同行事となった。

先月は萬福寺で大般若転読法要が営まれたそうだ。

それは毎年2月11日と決まっている。

トヤ制度はなくなったがそれに替わる当番は居る。

かつては八王子神社と呼ばれていたのであろう灯籠にはそれを物語る刻印がみられる八柱神社で秋祭りをしている。



以前は10月15日だったが体育の日に変わった。

その日は朝から千本搗きをしている

6臼も搗くそうだ。

そのあとは昼寝をしてスモウの儀式をする。

ムシロを敷いて刀を担ぐ力士が登場する。

ムシロの外周りをぐるぐる回る。

それから子供のスモウになる。

とはいっても村には子供はいない。

昼寝もそうだがかつての話しだ。

そのあと力士はぶつかり合う。

納めはやはり刀を担いでぐるぐる回る。

ただそれだけだというがれっきとした神事相撲である。

夏には風の祈祷もしている。

8月の日曜だが何週目にするかはその年にならないと判らない。

神社に行って誰かが手を合わせてパンパンとするだけだという。

その宮さん平成24年は造宮にあたる。

神社は小さいから起重機で吊り上げて入れ替えたらと冗談交えて話された。

(H23. 3.13 SB932SH撮影)
(H23. 4.19 SB932SH撮影)