マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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サルボボはサルボコ

2011年04月26日 08時02分45秒 | 民俗あれこれ
深夜に目が覚めた。

つけたテレビには深夜放送があった。

意識はもうろうなのに見入ってしまった民俗。

それは飛騨高山でのこと。

お土産ものに「サルボボ」があるという。

それは安産の守り神らしい。

奇妙な名前だがどこかで聞いたことがあるような・・・。

それはひょっとしたら「サルボコ」ではないかと尋ねていった先は王滝村の御嶽山十二大権現。

地区は判らないが祠の横にある箱の中にわんさかと積み重なったサルボコがある。

それは安産を願う人が参ったときに持ち帰るもの。

子供ができたら願いが叶ったということで新しくサルボコを12個作ってもってくる。

何故に12個なのか。

それは十二大権現だからだ。

安産を願い叶った人たちによってその行為が繰り返されていく。

この放送を拝見して思い出したのは天理市福住別所の如意輪石仏のよだれ掛けの交換と同じ安産を願う行為だ。

各地でみられる節分の豆の交換もご利益を求める行為。

形式は異なっても願う気持ちは変わらない。

さて、そのサルボボであるが、それはおよそ40年前に、ある会社がサルボコをお土産にできないかなと企画考案されたものだった。

それが定着したようだ。

その業者がいうには奈良時代に中国から遣唐使が運んできた天から授かった大切な児。

天児(あまがつ)が原型だという。

それはくくり猿と「這子(ほうこ)」と呼ばれる形に分かれた。

ホウコは廃れて人形になったが、飛騨高山においてはくくり猿がサルボコになったらしい。

(H23. 3.19 記)