「光と影のファンタジー」が奈良県立美術館で開催されている。
影絵作家の藤城清治氏が創り出す影絵展だ。
影絵と言えば障子の向こう側で手を組み合わせて透過する影絵を思い出す。
子どものころにはいつもそうしていた。
学校行事でもあったような、ないような記憶は曖昧だ。
幻灯機で映し出した影絵は回り燈籠だった。
夏の夜のイベントはどこへいったのだろうか。
4月7日から6月24日までの開催は初の奈良展。
氏の米寿記念の特別展である。
開催されて一ヶ月目。
これは見ておかなければと思っていた。
そう思っていたら入場券が舞いこんだ。
ありがたく受け取ってやってきた美術館。
駐車場は近くのタイムパーキング。
たぶん長時間の利用になることだろう。
会場は第1から第6会場まである。
それぞれのテーマ別に展示されている会場だ。
初期のモノクロ作品から水彩画、絵本、最新作までの248点が並ぶ。
一つ一つの展示作品には解説文があるから嬉しい。
氏の思い思いも書き綴られているから製作プロセスにおける気持ちが伝わってくる。
作品タイトルだけでも映像が浮かんでくる『こびとのせんたく日』、『小鬼のしゃしんや』など。
物語になっている『雨を降らせた傘屋さん』や『ビルゼン』、『玉ねぎと子うさぎとねこ』は童話風。
拝観者のおばあさんが孫に一つ一つ読み聞かせる。
物語もそうだが、そんな光景に心が温まる。
会場は撮影禁止。
こんな素晴らしい情景をメモしたくなってボールペンを取り出した。
それを見ていた館の人から注意を受けた。
書くんでしたら鉛筆にしてくださいと伝えられた。
頭に記憶するのはたぶん無理。
200点すべてを見ていけば印象もどこかへ消えていくが、思い出すように記憶を記録しておこう。
印象に残った作品の一つが西遊記。
それも孫悟空と女の顔だ。
生き生きとした目と顔は大アップ。
迫力ある映像が飛び込んでくる。
1958年の作品というから昭和33年。
私が8歳のころだから小学三年生。
学校で見たことはないと思う。
見たような記憶があるのは思いすごしで、昭和33年から38年に亘って中央公論から毎号発刊された『西遊記』であった。
著者は邱永漢氏で、挿し絵を担当したのが藤城清治氏だった。
西遊記といえば、東映長篇漫画映画を思い出す。
手塚治虫の「ぼくの孫悟空」原作をベースに製作された昭和35年(1960)の作品。
小学五年生のころになる。
東映長篇漫画映画は「白蛇伝」が最初の作品で昭和33年(1958)10月公開。
翌年の昭和34年(1959)12月に公開されたのが「少年猿飛佐助」。
そして翌年の「西遊記」となる。
次は昭和36年(1961)の7月公開の「安寿と厨子王丸」。
東京オリンピックの年だ。
昭和37年(1962)7月公開の「アラビアンナイト シンドバッドの冒険」。
昭和38年(1963)3月公開の「わんぱく王子の大蛇退治」。
そのころは中学生になっていたが、懐かしい作品の映像は今でも鮮明に覚えている。
平成24年は「古事記」が編纂されてから1300年目。
平成32年(2020)になれば「日本書紀」が編纂、完成後の1300年の節目。
記・紀万葉プジョジェクトを推進している奈良県。
記念事業は神話のふるさと所縁の地になる島根、鳥取、福井に宮崎県なども。
漫画映画の「わんぱく王子の大蛇退治」は神話を題材にした冒険活劇映画。
亡くなった母、イザナミ(伊邪那美)がいる黄泉の国を探して、冒険の旅に出たわんぱく王子のスサノオ(須佐之男)が、出雲の国でヤマタノオロチ(八俣大蛇)を退治する物語だ。
神話の世界を映画化した東宝映画の「日本誕生」も覚えている。
昭和34年(1959)10月に上映された特撮映画。
いずれの作品も子ども時代に脳裏に焼きついた。
私にとっては先鋭的な作品。
記・紀の原文をしらなくても映像で神話を伝えてくれる。
それがベースになったのか大人になったときに買いあさった本が棚に並んでいる。
大林太良著「神話の系譜」、森浩一著「古代日本と古墳文化」、直木孝次郎著「日本神話と古代国家」、松本清張著「カミと青銅の迷路」、古田武彦著「よみがえる卑弥呼」、梅原猛著「海人と天皇」、茂在寅男著「古代日本の航海術」、平川南著「よみがえる古代文書」、関和彦著「出雲風土記とその世界」、中江克己著「海の日本史」、渡部昇一著「日本神話からの贈り物」などなど・・・・。
数えればキリがないくらいの本だけに全てを列挙するには丸一日かかる。
それらの本はいつしか民俗にも繋がっていく道しるべ。
脱線したが、もう一度見てみたいくらいの作品は再放送を願うばかりだ。
そんなことを思い出しながら観覧する「光と影のファンタジー」影絵展の作者が創り出したケロヨン。
国民的に知られている「ケロヨ~ン」、「バハハァーイ」の流行語は今でも通用するのでは。
また、「つるの恩返し」、「泣いた赤鬼(童話作家の浜田広介原作)」の影絵劇などもある。
私が育ってきた年代と重ね合わさるが、何時、どこで見たのだろうか。
覚えていない。
宇津救命丸のコマーシャル映像も藤城氏の作品だった。
影絵の中の揺りかご。
すやすや眠る赤ちゃん。
メルヘンな映像とともに流れてくる流れるコマーシャルソングはお母さんの唄。
氏のコマーシャル作品はカルピスもあったことを知る影絵展。
懐かしさのあまり、なかなか前へ進まない。
氏の作品は切り絵の重ね合わせ。
いろんな画材を組み合わせる。
「ぶどう酒びんのふしぎな旅」では、なんと割れたガラス瓶まで使っている。
そのことも書かれている氏の言葉。
そこへ至るまで1時間の第2会場。
第6会場までの全ての作品を見るには2時間半。
駐車料金は1500円もかかった。
(H24. 5. 6 SB932SH撮影)
影絵作家の藤城清治氏が創り出す影絵展だ。
影絵と言えば障子の向こう側で手を組み合わせて透過する影絵を思い出す。
子どものころにはいつもそうしていた。
学校行事でもあったような、ないような記憶は曖昧だ。
幻灯機で映し出した影絵は回り燈籠だった。
夏の夜のイベントはどこへいったのだろうか。
4月7日から6月24日までの開催は初の奈良展。
氏の米寿記念の特別展である。
開催されて一ヶ月目。
これは見ておかなければと思っていた。
そう思っていたら入場券が舞いこんだ。
ありがたく受け取ってやってきた美術館。
駐車場は近くのタイムパーキング。
たぶん長時間の利用になることだろう。
会場は第1から第6会場まである。
それぞれのテーマ別に展示されている会場だ。
初期のモノクロ作品から水彩画、絵本、最新作までの248点が並ぶ。
一つ一つの展示作品には解説文があるから嬉しい。
氏の思い思いも書き綴られているから製作プロセスにおける気持ちが伝わってくる。
作品タイトルだけでも映像が浮かんでくる『こびとのせんたく日』、『小鬼のしゃしんや』など。
物語になっている『雨を降らせた傘屋さん』や『ビルゼン』、『玉ねぎと子うさぎとねこ』は童話風。
拝観者のおばあさんが孫に一つ一つ読み聞かせる。
物語もそうだが、そんな光景に心が温まる。
会場は撮影禁止。
こんな素晴らしい情景をメモしたくなってボールペンを取り出した。
それを見ていた館の人から注意を受けた。
書くんでしたら鉛筆にしてくださいと伝えられた。
頭に記憶するのはたぶん無理。
200点すべてを見ていけば印象もどこかへ消えていくが、思い出すように記憶を記録しておこう。
印象に残った作品の一つが西遊記。
それも孫悟空と女の顔だ。
生き生きとした目と顔は大アップ。
迫力ある映像が飛び込んでくる。
1958年の作品というから昭和33年。
私が8歳のころだから小学三年生。
学校で見たことはないと思う。
見たような記憶があるのは思いすごしで、昭和33年から38年に亘って中央公論から毎号発刊された『西遊記』であった。
著者は邱永漢氏で、挿し絵を担当したのが藤城清治氏だった。
西遊記といえば、東映長篇漫画映画を思い出す。
手塚治虫の「ぼくの孫悟空」原作をベースに製作された昭和35年(1960)の作品。
小学五年生のころになる。
東映長篇漫画映画は「白蛇伝」が最初の作品で昭和33年(1958)10月公開。
翌年の昭和34年(1959)12月に公開されたのが「少年猿飛佐助」。
そして翌年の「西遊記」となる。
次は昭和36年(1961)の7月公開の「安寿と厨子王丸」。
東京オリンピックの年だ。
昭和37年(1962)7月公開の「アラビアンナイト シンドバッドの冒険」。
昭和38年(1963)3月公開の「わんぱく王子の大蛇退治」。
そのころは中学生になっていたが、懐かしい作品の映像は今でも鮮明に覚えている。
平成24年は「古事記」が編纂されてから1300年目。
平成32年(2020)になれば「日本書紀」が編纂、完成後の1300年の節目。
記・紀万葉プジョジェクトを推進している奈良県。
記念事業は神話のふるさと所縁の地になる島根、鳥取、福井に宮崎県なども。
漫画映画の「わんぱく王子の大蛇退治」は神話を題材にした冒険活劇映画。
亡くなった母、イザナミ(伊邪那美)がいる黄泉の国を探して、冒険の旅に出たわんぱく王子のスサノオ(須佐之男)が、出雲の国でヤマタノオロチ(八俣大蛇)を退治する物語だ。
神話の世界を映画化した東宝映画の「日本誕生」も覚えている。
昭和34年(1959)10月に上映された特撮映画。
いずれの作品も子ども時代に脳裏に焼きついた。
私にとっては先鋭的な作品。
記・紀の原文をしらなくても映像で神話を伝えてくれる。
それがベースになったのか大人になったときに買いあさった本が棚に並んでいる。
大林太良著「神話の系譜」、森浩一著「古代日本と古墳文化」、直木孝次郎著「日本神話と古代国家」、松本清張著「カミと青銅の迷路」、古田武彦著「よみがえる卑弥呼」、梅原猛著「海人と天皇」、茂在寅男著「古代日本の航海術」、平川南著「よみがえる古代文書」、関和彦著「出雲風土記とその世界」、中江克己著「海の日本史」、渡部昇一著「日本神話からの贈り物」などなど・・・・。
数えればキリがないくらいの本だけに全てを列挙するには丸一日かかる。
それらの本はいつしか民俗にも繋がっていく道しるべ。
脱線したが、もう一度見てみたいくらいの作品は再放送を願うばかりだ。
そんなことを思い出しながら観覧する「光と影のファンタジー」影絵展の作者が創り出したケロヨン。
国民的に知られている「ケロヨ~ン」、「バハハァーイ」の流行語は今でも通用するのでは。
また、「つるの恩返し」、「泣いた赤鬼(童話作家の浜田広介原作)」の影絵劇などもある。
私が育ってきた年代と重ね合わさるが、何時、どこで見たのだろうか。
覚えていない。
宇津救命丸のコマーシャル映像も藤城氏の作品だった。
影絵の中の揺りかご。
すやすや眠る赤ちゃん。
メルヘンな映像とともに流れてくる流れるコマーシャルソングはお母さんの唄。
氏のコマーシャル作品はカルピスもあったことを知る影絵展。
懐かしさのあまり、なかなか前へ進まない。
氏の作品は切り絵の重ね合わせ。
いろんな画材を組み合わせる。
「ぶどう酒びんのふしぎな旅」では、なんと割れたガラス瓶まで使っている。
そのことも書かれている氏の言葉。
そこへ至るまで1時間の第2会場。
第6会場までの全ての作品を見るには2時間半。
駐車料金は1500円もかかった。
(H24. 5. 6 SB932SH撮影)