マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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三条町不動堂夏祭りの護摩焚き

2012年07月28日 08時17分28秒 | 奈良市へ
6月1日にノガミサンをされている三条添川町の農家組合の人たち。

この日は夏祭りといって三条町にある三条会館前の不動堂に集まってくる。

お堂の前には「天保三年(1832)六月吉日」の刻印が見られる石柱がある。

「不動明王 西組大護摩講中」が寄進された石柱だ。

不動堂は昭和57年に落成した建物。

老朽化が甚だしくより堅固な建造物と願って竣工したという。

普段の不動堂は三条の尼講の人たちの営みの場である。

毎月の1日と15日はお花を飾って般若心経と高野真言を唱えている。

70歳になれば入ることができる尼講は現在8人。

三条不動講とも呼ぶ講中だ。

本尊はかつて三条通りの弥勒堂に安置されていた。

ヤカタに納められた不動明王の石造仏。

高さは50cmぐらいだ。

この日は三条の農休みの日。

三条の農家・水利組合の男性たちとともに夏祭りが行われる。

この日はまだ5月時期。

初夏の雰囲気はまだまだだが、行事の名称は夏祭りだという。

狭いお堂に上がった人たちでいっぱいになる。

この日に行われるのは護摩焚きだ。

興福寺の僧侶が訪れて護摩焚きをする。

外は本降りの大雨。

びしょ濡れにもならずにお勤めが始まった。

ローソクのオヒカリから移された火を護摩に投入する。

扇で煽いで風を起こす。

奉された護摩木は燃えていく。

護摩木が多いことから、一度でなく四度に分けて焚かれた。



もうもうと立ち上る護摩の煙。

お堂に充満する。

窓を開放しなければならない状況になる。

そうしなくては火災報知機が鳴りだすというわけだ。

「家内安全なーり 身体堅固なーり 交通安全なーり」と祈祷する僧侶。

1時間以上もかけて行われる護摩焚きのお勤めである。

「いつも、であればもっと燃え盛る。熱くてかなわんぐらい」のお堂になるという。

この日の雨の影響であろうか、湿気てなかなか燃えなかった。

特に一回目はそうであったと話した僧侶。

そうして終えた護摩焚きはこれでおしまいというわけではない。

めいめいが持参した数珠を集めて、僧侶は護摩焚きの煙にあてる。

家内安全、身体堅固、交通安全のご加持を授かるありがたい数珠なのである。

夏病みをしないという願いも込められているのだろう。

こうして夏祭りの護摩焚きを終えた一同は、男性たちは会館に。

女性たちは不動堂で、それぞれに分かれてパック詰め料理で会食をされる。

(H24. 5.15 EOS40D撮影)