マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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竹之内の苗代マツリ

2016年11月12日 08時28分01秒 | 天理市へ
明日香から桜井。

そして天理市へと北上する。

車を走らせていてふと思いだした。

3年前の平成25年5月8日に訪れたことがある天理市竹之内町。

南地区や西の農家が立てた苗代を飾った松苗、イロバナがあった。

松苗は竹之内町に鎮座する十二神社の松苗。

2月初旬辺りに行われる祈年祭に奉られて石上神宮の神官が豊作を祈願祈祷される松苗である。

すっかり忘れていた神社の所在地。

行事も失念していた。

あれから3年も経過した苗代飾りは今もあるのだろうか。

多少不安にかられて集落に向かった。

ここは佐保之庄から西の地にある。

たしかこの辺りにあったと思う田んぼ。

苗代が見つからない。

なんとなく放棄しているように思えた。

集落の入口手前にも苗代があった。

そこは道路の左右に2カ所。

ここにも苗代田が見られない。

苗代田がなければ松苗もイロバナもない。

仕方なく集落入口から南に向かう。

一本道は軽自動車ぎりぎりの道幅。

気をつけながらそろりそろりと運転する。

直角に左折れしたそこにあった。

懐かしい風景がそこにある。

その情景を撮っていたら向こう側におられた男性に気づいた。

男性は村の柿生産者。

ヒラタネ柿や特産物の刀根早稲柿を生産している農家の男性が云うには、年々安価の傾向にあるという。

刀根早稲柿は隣村の萱生が原産地。

今でも原木があるらしい。

集落の一角に柿畑があるそうだ。

広さは一丁にもなる畑。

そこは柿の葉寿司で名高いある生産販売会社の占有地。

大手企業の柿の葉寿司専門会社だというが、社名は聞いていない。

その会社が一括買い占めた柿畑。

生産は柿の実ではなく柿の葉寿司だけに摘むのは「柿の葉」だけになる。

長さや幅は一定のものでなければ利用しない規格品。

厳正な規格仕立てで摘むようだ。

その男性が云うには、今でもこうして苗代を作って松苗やイロバナを立てているのは南地区の一軒。



たったの一軒になったそうだ。

もしも、である。

2月に行われる春の豊作祈願の祈年祭。

奉る松苗はいつしか消滅するのでは・・と思った。

とにかく急がねばならない十二神社の行事取材。

今度こそは忘れないようにしたい。

(H28. 5. 3 EOS40D撮影)