マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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榛原篠楽新暦閏の庚申さん

2016年11月24日 09時25分13秒 | 宇陀市(旧榛原町)へ
トイレを借用していたコンビニエンスストア。

駐車場から車が走る道を見ていた写真家Kは声をあげた。

向こう側に建つ祠に何かがあるという。

眺めてみたらすぐに判った。

一本の木が祠の中にある。

それも斜めに立てかけている。

上の方には杉の葉っぱらしきものが見える。

その形は紛れもなく旧暦閏年に奉られる庚申さん。

ここは年に何度か通る道。

祠があるから地蔵尊では・・と思っていた。

立ち止って観ることもなかったから、そう思っていたが、違った。

庚申さんである。

近寄って杉の木の棒を見る。

それには「(梵字;奉) 五穀豊穣(護)村内講中 家内安全 上中 平成二十八年三月二十七日 □□□□ ○○○○」の文字が書いてあった。

□□□□、○○○○はおそらく願主名。

当番の人の名であるかも知れない。

庚申さんが建つ辺りに旧家がある。

もし、おられたら何であるのか聞いて見ようと思って足を運ぶ。

呼び鈴を押したら屋内から婦人が出てこられた。

話しによれば庚申さんの祭りごとがあったという。

当地に嫁いで60年。

80歳になるⅠ婦人が云うには、当地篠楽(ささがく)は上垣内、中垣内に道路東側にある下垣内の3垣内。

ここの庚申さんは上・中垣内の庚申講が守っている。

いつからか判らないが旧暦閏年にしていた庚申さんは新暦になったそうだ。

杉の木であろうと思ったが、そうではなくヒノキで作った塔婆だった。

その日の庚申さんに般若心経を唱えるらしい。

下垣内にもあるという庚申さんは大字柳にもあると云う。

その場は国道沿いというからもしかとすれば榛原角柄であるかもしれない。

これら地区ではおそらく新暦閏年。

オリンピック開催の年だから東京オリンピックの年。

忘れずに記録しておこう。

それはともかく篠楽の上垣内には霊験あらたかな地蔵さんがあるという。

ここより北へ行く。

村落を登った処にあるらしいが時間切れで断念したが、8月24日に地蔵さんの祭りをしているというからいずれは取材したいものだ。

(H28. 5. 8 EOS40D撮影)