桜井市山田の奥垣内に愛宕神社がある。
社もなく「石」そのものでできている。
石垣の上に三柱、といえば良いのかどうかわからないが・・。
中央は庚申さん。
左が愛宕さんである。
右にある屋根型は何であろうか。
考えられるのはお燈明のヤカタか、それとも山の神か。
山田には各垣内単位で旧暦閏年の庚申行事がある。
川之・東出・上出・西出・茶屋前(東/西茶ノ前)・鍛冶屋他10講中で行われている庚申行事は「モウシアゲ」の名がある。
平成26年4月6日に取材させてもらった垣内はここ愛宕神社がある奥垣内と東茶ノ前垣内の2垣内だけだ。
他の垣内は未だに取材ができていない。
それはともかく奥垣内のモウシアゲを取材していたときに話してくださったのが、愛宕さん行事である。
愛宕神社がある地にゴザを敷いて数珠繰りをすると話していた。
その様相を拝見したく訪れた。
数珠は箱に納めている。
蓋の裏側に文字があったので拝見させてもらった。
「明治拾貳己卯年七月 百萬遍数珠求之 山田奥垣内所持 連名簿」として12人の名が記されていた。
愛宕さんの行事を紹介してくれたFさんはうちのひい爺さんだと云った。
数珠箱の廻りがある。廻りの当番はヤド。
時間前には場を設えておく。
愛宕神社の前にブルーシートを敷いてその上に大きく広げた畳みゴザを敷く。
この場は村の通り道。
車を走らせるにはちと狭い、その道に名がある。
Fさんがいうにはここはソーレン道。
葬儀における葬送の道だから、そう呼ぶ。
熊野三社に参る参列のように杖を持つ人が先導していたようだ。
広げたゴザに座布団も敷く。
愛宕さんの日は暑い。
真夏の暑さは陽が暮れても冷めやらない。
電灯線を引き込んで場に扇風機も持ち込む。
サカキを立ててお花を飾る。
お菓子を供えてペットボトルのお茶も・・。
一人で世話をするにはなにかと忙しい。
据えてからおよそ20分後。
どっぷりと暮れた時間帯。
一人、二人がやって来た垣内の人。
めいめいが持ち寄るローソクを立てて火を点ける。
ついさっきまでは小雨降る日だったが、営みが始まるころにはやんだ。
はじめに般若心経を一巻唱える。
一同は揃って2礼2拍手に1礼してから唱える。
およそ2分間の心経である。
次が数珠繰りである。
数珠繰りには撞木で叩く伏せ鉦が要る。
ヤド家が持ち込んだ鉦はやや小型。
直径は10cm。
記銘刻印などは見られなかった。
あんたも入ってくれはったら良いのにと云われるが、それでは取材にならないので遠慮させてもらった。
小さな鉦を打つ導師。
打つリズムは早い。
キン、キン、キンと小刻みな打ち方に合わせて数珠を繰る。
反時計回りで数珠を繰る。
大きな房珠がわが身の前にくれば頭を下げる。
白い房だからどこをどう廻っているかはよくわかるが、時間帯は夜。
ライテイングされてはいるもののストロボをあてることは遠慮する。
ローソクの灯りがやけに美しい。
なんまいだ、なんまいだを唱えながら数珠を左に送る。
数珠繰りの回数は数取りの道具が要る。
これもまた数珠であるが、数取り専用。
房が廻る都度に数珠を動かす。
奥垣内の数珠繰りは50回と決まっている。
いつもそうしているという長丁場。
およそ15分間もかけて数珠繰りを終えた。
Fさんが云うには奥垣内には地蔵盆がない。
数珠は7月に寄進されたことから旧暦だったかも。
しかも地蔵盆を合体して今日に続いているのかもしれないと話していた。
心配された雨にもかからなかったが、相も変わらず暗雲が立ち込めている。
愛宕さんの行事は西出垣内もしていると聞いたが、この日は時間切れ。
いずれは取材したいと思って場を離れた。
(H28. 8.23 EOS40D撮影)
社もなく「石」そのものでできている。
石垣の上に三柱、といえば良いのかどうかわからないが・・。
中央は庚申さん。
左が愛宕さんである。
右にある屋根型は何であろうか。
考えられるのはお燈明のヤカタか、それとも山の神か。
山田には各垣内単位で旧暦閏年の庚申行事がある。
川之・東出・上出・西出・茶屋前(東/西茶ノ前)・鍛冶屋他10講中で行われている庚申行事は「モウシアゲ」の名がある。
平成26年4月6日に取材させてもらった垣内はここ愛宕神社がある奥垣内と東茶ノ前垣内の2垣内だけだ。
他の垣内は未だに取材ができていない。
それはともかく奥垣内のモウシアゲを取材していたときに話してくださったのが、愛宕さん行事である。
愛宕神社がある地にゴザを敷いて数珠繰りをすると話していた。
その様相を拝見したく訪れた。
数珠は箱に納めている。
蓋の裏側に文字があったので拝見させてもらった。
「明治拾貳己卯年七月 百萬遍数珠求之 山田奥垣内所持 連名簿」として12人の名が記されていた。
愛宕さんの行事を紹介してくれたFさんはうちのひい爺さんだと云った。
数珠箱の廻りがある。廻りの当番はヤド。
時間前には場を設えておく。
愛宕神社の前にブルーシートを敷いてその上に大きく広げた畳みゴザを敷く。
この場は村の通り道。
車を走らせるにはちと狭い、その道に名がある。
Fさんがいうにはここはソーレン道。
葬儀における葬送の道だから、そう呼ぶ。
熊野三社に参る参列のように杖を持つ人が先導していたようだ。
広げたゴザに座布団も敷く。
愛宕さんの日は暑い。
真夏の暑さは陽が暮れても冷めやらない。
電灯線を引き込んで場に扇風機も持ち込む。
サカキを立ててお花を飾る。
お菓子を供えてペットボトルのお茶も・・。
一人で世話をするにはなにかと忙しい。
据えてからおよそ20分後。
どっぷりと暮れた時間帯。
一人、二人がやって来た垣内の人。
めいめいが持ち寄るローソクを立てて火を点ける。
ついさっきまでは小雨降る日だったが、営みが始まるころにはやんだ。
はじめに般若心経を一巻唱える。
一同は揃って2礼2拍手に1礼してから唱える。
およそ2分間の心経である。
次が数珠繰りである。
数珠繰りには撞木で叩く伏せ鉦が要る。
ヤド家が持ち込んだ鉦はやや小型。
直径は10cm。
記銘刻印などは見られなかった。
あんたも入ってくれはったら良いのにと云われるが、それでは取材にならないので遠慮させてもらった。
小さな鉦を打つ導師。
打つリズムは早い。
キン、キン、キンと小刻みな打ち方に合わせて数珠を繰る。
反時計回りで数珠を繰る。
大きな房珠がわが身の前にくれば頭を下げる。
白い房だからどこをどう廻っているかはよくわかるが、時間帯は夜。
ライテイングされてはいるもののストロボをあてることは遠慮する。
ローソクの灯りがやけに美しい。
なんまいだ、なんまいだを唱えながら数珠を左に送る。
数珠繰りの回数は数取りの道具が要る。
これもまた数珠であるが、数取り専用。
房が廻る都度に数珠を動かす。
奥垣内の数珠繰りは50回と決まっている。
いつもそうしているという長丁場。
およそ15分間もかけて数珠繰りを終えた。
Fさんが云うには奥垣内には地蔵盆がない。
数珠は7月に寄進されたことから旧暦だったかも。
しかも地蔵盆を合体して今日に続いているのかもしれないと話していた。
心配された雨にもかからなかったが、相も変わらず暗雲が立ち込めている。
愛宕さんの行事は西出垣内もしていると聞いたが、この日は時間切れ。
いずれは取材したいと思って場を離れた。
(H28. 8.23 EOS40D撮影)