マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山城町涌出宮居籠祭・森廻り四ツ塚

2018年02月06日 09時28分52秒 | もっと遠くへ(京都編)
「神さんが降りて来たのは山の方だった。陽当たりが悪くて、平たんに降ろしはった」と云って、居籠祭の森廻りの斎場を案内してくださったのは涌出宮宮司の中谷勝彦さんだ。

同行案内に京都府文化財保護指導員のAさんもついてくださる。

場所は木津川市山城町平尾。

涌出宮が鎮座する地である。

居籠祭前夜の深夜に行われる他見をはばかる神事がある。

午前1時から午前5時の昇陽までの時間帯。

真っ暗闇の中で行われる神事(森廻り神事・野塚神事・御供炊き神事・四ツ塚神事)の一切を見ることはできない、いわゆる秘儀である。

これらの神事は与力座の座中二人によって行われる。



午前1時間半より午前3時までの神事ごと。

宮司は、その与力座の一員であるだけに詳しい。

2月の祈年祭(としごいのまつり)に神さんを迎えて、その年の師走。

つまり12月になれば迎えていた神さんを再び山に戻ってもらうのである。



涌出宮東にある四ツ塚の他、計11カ所にもあるらしいが、そこはもう少し、或いはもっと遠くになるようだ。

時間があれば一つ、二つのその場を拝見したかったが、場所的には畑とか目印のない場のようで見つけるには困難と聞く。



その件を聞いて知りたくなった四ツ塚以外の場である。

女座行事の御供上げに末社などもあった。

その際に通過した処である。

本社殿裏に石造りの祠が数体ある。

その内部に御幣を納めていた。

女座行事の御供に注目している状態ではお聞きするのも難しいから、後ほどと思っていた。

布袋さんもそうだが、祠納め御幣については聞きけていなかった。



四ツ塚の斎場を拝見して、御幣があったことを思い出して、尋ねてみれば、これもまた森廻り神事に御幣を納める場所であるということだった。

ここ本社殿裏側は祠が2体。

他にも降臨の場があるようだが・・・。

時間があればもっともっとお聞きしたいが、お忙しい宮司の時間をこちらの都合で留めるわけにはいかない。

また、次の取材地訪問もあるから失礼しようとして、ふと見上げた涌出宮の社務所・神楽殿の出入口。



そこに挿していたまじないは紛れもないヒイラギイワシ。

室町時代建之された「四脚門」にもあったから年越しの行事をしているようだ。

(H29. 3.20 EOS40D撮影)